“教授”と呼ばれる前の坂本龍一を記録、70年代貴重音源を3枚組でリリース

坂本龍一のアマチュア時代からプロデビュー時代にかけての1970年代の活動をまとめた3枚組アルバム「Year Book 1971-1979」が、彼の64歳の誕生日である1月17日にリリースされる。

この作品は2015年1月17日に発売された、未発表曲を中心としたコンピレーションCD「Year Book 2005-2014」の続編。東京藝術大学音楽学部作曲科に在籍していた1971年の作曲作品「ピアノ・ソナタ」や、高橋アキによって初演された1976年のピアノ曲「分散・境界・砂」などの現代音楽やクラシックに加え、フォーク、ポップス、ロックのフィールドでの初レコーディング作品や初アレンジ作品、初の海外録音作品なども収録される。

加えて坂本が当時、ほぼ匿名的な立場で作曲、演奏、アレンジを担当した幻の作品群もコンパイル。ソウルやレゲエ、フュージョンなどジャンルを選ばない多様なスタイルで活躍した、まだ“教授”というあだ名がつく以前の若き日の坂本の活動が記録されている。

さらにDISC 3には今作の最大の目玉として、1978年に現代音楽イベント「個展」でのソロコンサートで演奏された電子音楽作品「ナスカの記憶（非夢の装置 或いは反共同体関数としての音楽）」を収録。同年発売のソロデビュー作「千のナイフ」およびYellow Magic Orchestraへの参加の伏線と言える、過激で先鋭的なエレクトロニックミュージックが、40年近い時を経て一般公開される。

付属ブックレットには本人による楽曲解説コメントのほか、詳細なデータ、貴重な当時の写真や資料などを掲載。アートディレクションはダムタイプの高谷史郎が担当している。