乙女新党がツチノコ探して東名阪、「気持ちは6人」で回った初ツアー

乙女新党初のワンマンツアー「乙女新党ワンマンライブツアー2015～ツチノコ探して東名阪▽～supported by SPINNS」の最終公演が、12月23日に東京・ラフォーレミュージアム六本木にて開催された。

メンバー長谷川愛里の療養による活動休止を受け、高橋優里花、田尻あやめ、相原まり、緒方真優、其原有沙の5人で初のツアーに挑むこととなった乙女新党。急遽ダンスのフォーメーションや歌唱パートの変更を余儀なくされながらも、初披露の新曲やユニット曲、さらには各公演ごとに内容の異なるコントなど、盛りだくさんのステージを各地で繰り広げた。

ツアー千秋楽となった東京公演は「2学期デビュー大作戦!!」から元気にスタート。SPINNSの協力によるオープニングのファッションショーでは「HAPPY CHRISTMAS!」をテーマに赤と緑のスウェット姿を披露し、5人はそのままの姿でライブを展開する。自己紹介を挟みつつ4曲が歌われたところで、このツアー恒例の「劇団乙女新党」によるミニコントのコーナーへ。今回の演目「クリスマスイブイブの奇跡」は、ライブ翌日の12月24日に誕生日を迎える相原が主人公だ。

乙女新党随一の優等生・相原が散らかった楽屋を整理整頓していると、田尻にそっくりな「ラフォーレミュージアム六本木にいる女神様」が現れ、メンバーにもっとちゃんとしてほしいと願う相原の望みを叶えるべく、「ちゃんとした高橋優里花」「ちゃんとした緒方真優」「ちゃんとした其原有沙」を召還する。高橋は「顧客満足度を考え、もっとクオリティの高い“ちゅっちゅぺろりん”を製造することを今期のノルマと考えております」と柄にもない言葉を使い、常に落ち着きなくはしゃぎ回っている其原は女神の合図で自在に動きをストップできるオンオフ機能を搭載。照れ屋の緒方は「真優のおててがさびしいよー、ねえねえ握ってくれる？」と“全力の萌えゼリフ”が言えるアイドルへと強化されていた。理想が叶ったはずの相原だったが、「こんなの乙女新党じゃない！ 元に戻して！」と懇願する。女神は「本当にいいんですか？ このちゃんとしたメンバーなら目標の日本武道館はもちろん、東京ドームでもライブできるかもしれないのに」と説得したが、それでも相原は「もちろん大きな会場でライブやりたいけど、どんな場所でも全力で楽しむのが乙女新党だもん！」と答え、結局メンバーは元通りに。いつもの5人がそろったところで日付が変わり、元に戻ったメンバーは相原の誕生日を祝福し、5人で「わっしょいクリスマス」を歌った。

コントのあとのユニットコーナーでは、田尻と高橋が「あやめと優里花 from 乙女新党」名義のユニット曲「凸凹解決せんせーしょん」、緒方と相原がこのツアーのために書き下ろされたユニット曲「NとS」を披露。其原がソロで歌った楽曲は本来長谷川と歌う予定だった書き下ろし曲で、名古屋と大阪ではタイトル未定のまま歌われていたが、ライブ当日にようやくタイトルが「世界で一番君が好き」に決まったことが明かされた。3組がパフォーマンスを終えると、ツアー直前の5人が長谷川への思いとグループの現状を語るドキュメンタリー映像を挟み、ライブは後半戦へ。現在の6人体制での最初のシングル「ビバ！乙女の大冒険っ!!」、3月2日にリリースされるニューシングル「雨と涙と乙女とたい焼き」などが立て続けに披露された。

ラスト2曲を残し、5人はこのツアーを振り返りながら1人ひとり現在の思いを伝えていく。長谷川と同じ2001年生まれの最年少・其原は「愛里ちゃんがお休みで中学生が1人という中で心配だったんですけど、お姉さんたちがサポートしてくれました。ツアーは5人だけど気持ちは6人です。愛里ちゃんには早く戻ってきてほしいし、6人で力を合わせて、絶対に武道館に行きたいと思います」とコメント。田尻は「初めてだから最初はツアーって感じが全然しなかったんですけど、反省点をすぐ次に生かせたりして、ツアーって楽しいんだなあってわかりました。この1年はいろいろ大変だったけど、乙女新党はみんなで1つのことに向かってがんばれるように成長したなと思います」と初めてのツアーの手応えを語った。5人は続いて、このツアーのテーマにもなっている最新シングル「ツチノコっていると思う...？▽」をパフォーマンス。ひときわ大きな声援を受けたところで、緒方は「VTRが届いていますよ」と長谷川が近況を報告するVTRを紹介する。このVTRを観るのはメンバー5人も初めてとのことで、「1日も乙女新党のことを忘れたことはないし、1日も早く6人でステージに立ちたい」と笑顔で語る長谷川の姿に、メンバーも思わず涙ぐんでしまう。そしてラストの自己紹介ソング「新・乙女新党のうた」では長谷川のパートで彼女のライブ映像と歌詞が映し出され、党員（乙女新党ファンの総称）は合唱と盛大なコールを送った。

アンコールではスタッフから、党員のみならずステージ上のメンバーにもサプライズが。MC中に突然場内が暗転すると、スクリーンに「特報」の文字が浮かび、劇団乙女新党によるミュージカル公演が3月21日に東京・サンリオピューロランド フェアリーランドシアターで開催されることが発表された。ツアー各公演でコントを演じた彼女たちが、今度はハローキティとのコラボレーションでミュージカルに挑戦する。新たな目標ができた乙女新党は最後に「ときめき☆パラドックス」を披露してステージを去ったが、客席からは再度アンコールを求める拍手が上がり、5人はもう一度舞台の上へ。リーダー高橋が「今年の感謝を込めてもう1曲歌います！」と告げると、5人は「もうそう★こうかんにっき」を歌って初のツアーを元気いっぱいに締めくくった。