田島貴男、原点の地・渋谷で「ひとりソウル」濃厚2時間半

ORIGINAL LOVEの田島貴男が、11月29日に東京・TSUTAYA O-EASTで“ひとりソウルショウ”スタイルによるライブツアー「ひとりソウル・ツアー 2015」の東京公演を行った。

「ひとりソウルショウ」は、田島が1人のみですべての演奏を手がけるパフォーマンススタイルのライブ企画。キック音やルーパーを駆使したサウンドでグルーヴを作り上げるライブで、バンド編成のステージやギター1本の弾き語りとはまた違った田島の魅力が楽しめる。10月17日に北海道・旭川CASINO DRIVEで幕を開けた今回のツアーは、今週末12月5日の沖縄・桜坂セントラルまで、全国23会場で展開されている。

東京公演は、ルーパーを使ってその場でどんどん詰み重ねたドゥーワップ風のコーラスに乗せて「こんにちは、渋谷！」と煽る「ひとりソウルショウのテーマ」からスタート。田島は足元にセットしたペダルでキックを鳴らし、自ら刻むビートにあわせて新旧の楽曲を畳み掛けていく。「ひとりソウルショウへようこそ！ 東京、渋谷！ 帰ってきました！」と挨拶した田島は「ひとりソウルショウは1人ひとりの皆さんのソウルショウであります。皆さんのソウルパワーをお借りしてまいります」と観客に呼びかけ、ドブロギターをかき鳴らしながら歌った「築地オーライ」では「リズムは快調！」「往来！」のコール＆レスポンスで盛り上がった。

ライブ中盤は、今年の6月にリリースされた最新アルバム「ラヴァーマン」からの楽曲が中心。「今夜はおやすみ」ではルーパーを駆使した多重コーラスでオリジナルとはまた違ったストレンジなサウンドを作り上げ、「四季と歌」はアコースティックギター1本のシンプルな音色で歌い上げる。サントリーのCMでおなじみの「ウイスキーが、お好きでしょ」はジャジーなギタープレイでより艶かしく表現された。そして終盤には「接吻 kiss」や高野寛とのコラボレーションで1992年に発表された「Winter's Tale」などヒットナンバーを連発。田島は満員のO-EASTを見渡すと、学生時代に初めて出演した渋谷のライブハウスでの思い出を振り返り「自分の経歴が始まったのは渋谷なんです」と語った。そして「その当時からやってる曲です」とORIGINAL LOVE初期のナンバー「BODY FRESHER」を歌い、最後はデビュー20周年の2011年にリリースされたアルバム「白熱」からの楽曲「フリーライド」を熱唱した。

アンコールを受けてふたたび登場した田島は「ありがとう！」と短く挨拶すると、最新アルバム表題曲「ラヴァーマン」を披露。さらにライブ定番のキラーチューン「JUMPIN' JACK JIVE」でフロアをかき回し、「ソウルパワー！」のコール＆レスポンスで一体感を作り上げた。ダブルアンコールを含め合計20曲、2時間半のステージを1人で駆け抜けた田島は両手を高く上げ客席の声援に応え、汗だくでステージを去った。

田島は12月26日に新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 コンサートホールで開催されるNegiccoのライブ企画「NEGI祭 ～2015忘年会～ supported by サトウ食品」に、NONA REEVESとともにゲスト出演。2月からは全国14会場で「田島貴男『弾き語りツアー 2016』」を展開し、4月15日には田島の発案による自主企画「Love Jam」を行う。「Love Jam」には田島が「共演してみたい刺激的なバンド」だと語るペトロールズとceroの2組がゲストで登場する。