亀田誠治ゆかりのアーティストが武道館で「亀の恩返し」

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5月2日・3日に日本武道館にて、亀田誠治総指揮によるライブイベント「亀の恩返し」が開催された。

2日間で約2万人。360度を囲むファンに素晴らしい音楽で“恩返し”した亀田誠治。

2日間で約2万人。360度を囲むファンに素晴らしい音楽で“恩返し”した亀田誠治。

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師匠・亀田(写真左)と抜群のコンビネーションを見せた椎名林檎(右)。

師匠・亀田(写真左)と抜群のコンビネーションを見せた椎名林檎(右)。

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サンプリングのビートと名プレイヤー揃いのハウスバンドの演奏が融合した、KREVA(写真左)と亀田(右)のセッション。

サンプリングのビートと名プレイヤー揃いのハウスバンドの演奏が融合した、KREVA(写真左)と亀田(右)のセッション。

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ステージを俯瞰で眺めたところ。中央のステージを挟み、南北のステージがシンメトリーに配置されている。

ステージを俯瞰で眺めたところ。中央のステージを挟み、南北のステージがシンメトリーに配置されている。

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2日連続でトップバッターを務め、開始早々武道館を盛り上げたスピッツ。

2日連続でトップバッターを務め、開始早々武道館を盛り上げたスピッツ。

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秦基博

秦基博

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KREVA

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JUJU

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平井堅

平井堅

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椎名林檎

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Chara

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Do As Infinity

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絢香

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スガシカオ

スガシカオ

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亀田誠治

亀田誠治

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このイベントはプロデューサー、ベーシストとして活躍する亀田が、これまで自分を育ててくれた音楽やリスナーへの感謝を形にすべく企画されたもの。彼と親交の深いアーティストが多数出演し、それぞれのヒット曲をはじめこのイベントならではの貴重なコラボレーションを次々と披露した。

亀田のこだわりが強く反映された舞台は、小さなステージが3つ連なるようにアリーナに設置され、それを客席がぐるりと囲む画期的なデザイン。中央のステージにはストリングス隊のブースやグランドピアノが置かれている。

1日目

初日となった5月2日のステージは、J-WAVEのDJ秀島史香による場内アナウンスの後、定刻5分過ぎの18時5分からスタートした。会場内に設置されたスクリーンに絵本作家・荒井良二の可愛らしいイラストが映し出されたのに続き鶴田真由が登場すると、イベントのコンセプトをおっとりとした口調で紹介。そして「音楽と映像で皆さんの心を震わせることができたら……」という言葉に導かれて、トップバッターのスピッツがステージに姿を現した。

メンバーは斬新なステージの形を確かめるようにぐるりと見渡した後、ストリングスの優しい音色とともに「春の歌」を歌い上げ武道館の空気をあたためていく。草野マサムネ(Vo,G)は「今日はなにが起こるか……。楽しいイベントにしたいと思います」と、これから待ち受けるサプライズを予感させる言葉を口にした。続いての「チェリー」で照明は桃色に変わり、誰もが体を揺らしながらその心地よいメロディに身を委ねる。そして、アッパーチューンの「メモリーズ」、「さわって・変わって」で会場のボルテージをアップ。「正夢」の前に草野は「亀田さんがアレンジしてくれたように演奏するのは初めてで……。ミュージシャンをやっててよかったなと思います」と語り、ストリングスを交えたパフォーマンスに満足している様子を見せた。

幕間には大宮エリー監督・鶴田真由主演のショートフィルムが上映され、オーディエンスを和ませる。その雰囲気を引き継ぐように2番手で登場した秦基博は、弾き語りで「朝が来る前に」をしっとりと披露した。2曲目の「フォーエバーソング」以降は亀田率いるハウスバンドとストリングス隊とのパフォーマンスに移行。時折、亀田とアイコンタクトを取りながら、秦はそのみずみずしい歌声を響かせていった。MCでは「音楽をとおして皆さんと出会えたと思うし……最後まで楽しんで下さい」と口にした瞬間、亀田が茶々を入れ会場を笑わせる場面も。ラストは秦と亀田が初めて作った「鱗(うろこ)」で締められ、秦はあたたかい拍手を浴びながらステージを去った。

3番手を務めたKREVAはド派手なサングラスをかけて登場。カラフルなライトを浴びながら「成功」を熱く歌い上げると、続く「音色」で会場をメロウな空気に変える。そして3曲目に入る直前、「くればいいのに」のイントロが鳴った瞬間に会場の熱気は急上昇。草野がステージに呼び込まれ、KREVAのラップと草野の儚げな歌声に加え、ハウスバンドとストリングスの演奏が交ざり贅沢な音楽空間が生み出される。サプライズはこれだけでは終わらず、続く「生まれてきてありがとう」でも草野がボーカルを担当。さらに、イベントのために亀田と一緒に作ったというリリース未定の新曲「恩返し」もお披露目され、会場をおおいに沸かせた。

KREVAのステージ後、亀田に呼ばれ軽やかな足取りでステージに上がったのはJUJU。ノースリーブのシャツにホットパンツ、黒いピンヒールというセクシーなスタイルでステージを華やかに盛り上げる。ハウスバンドを従えての「I can be free」ではソウルフルなボーカルを響かせ、「素直になれたら」では甘くかすれたボーカルがストリングスと絡み合い会場を艶やかに彩る。MCでは亀田との出会いについて触れ「デビューする前から亀田さんは憧れで、一緒にいつか仕事をしたいと思ってたんです。夢っていつか叶うものなんですね」と感慨深げに語った。

鶴田が朗読する幕間のショートストーリーが終わった後、紫のスーツに身を包んだ平井堅がステージに静かに登場。「瞳をとじて」「哀歌(エレジー)」「思いがかさなるその前に…」と亀田プロデュースのナンバーを次々と歌い上げ、切ない歌声で観客を魅了していく。MCでは「亀田さんとの出会いは『大きな古時計』で、その後も何曲も魔法をかけてもらいました」と亀田に感謝を口にする一方、亀に引っかけて「僕の亀も元気です!」と下ネタも炸裂。そして「ある意味で僕の人生を変えた曲でもあり、預金通帳のゼロの桁を増やしてくれた曲です」とユーモアたっぷりに紹介した後、亀田からリクエストがあったという「楽園」をジャジーなアレンジで歌い上げた。ラストは「POP STAR」をステージをところ狭しと歩き回りながら熱唱。曲の途中で亀田と肩を組んだりと、サービス精神たっぷりのパフォーマンスを披露した。

イベントも終盤に差し掛かり、椎名林檎が黒いドレスに白衣をまとって現れると、会場中から悲鳴のような歓声があがる。ハウスバンドのメンバーもストリングス隊も、ピアニストも白衣を着用するなど、遊び心もたっぷり。そんな中1曲目を飾ったのは、艶やかなボーカルを聴かせる「茜さす 帰路照らされど…」。魅惑的な佇まいと歌で一気にその世界観へと引き込み、独自のアレンジを施したアンディ・ウィリアムスの「more」で観客の耳を釘付けにした。4曲目の「閃光少女」では自身のパフォーマンスを終えたばかりの平井堅をゲストボーカルに招き、英語バージョンと日本語バージョンの両方をデュエット。このイベントでしか実現し得ないレアなコラボレーションに大きな拍手と歓声が沸いた。「こんないいお祭りで皆さんとお会いできて嬉しいです。またライブをするので……」という言葉に続いて披露された「丸の内サディスティック」では、白衣を脱ぎ捨て広いステージを颯爽と歩き回りながら熱唱する。歌い終えた後は淑女のように優雅にお辞儀をし、堂々とした足取りで去っていった。

林檎とのパフォーマンスを終えた亀田は、「スピッツ、カモーン!」と叫びトップバッターのスピッツを再びステージに呼び戻す。「こっからはお祭りだから!」と宣言すると、秦基博を呼び「空も飛べるはず」のスペシャルセッションを展開。続いてはJUJUと草野によるツインボーカルでの「魔法の言葉」が演奏され、会場はあたたかな空気に包まれた。

2日目

5月3日、2日目のステージでもスピッツがオープニングを担当。前日には演奏されなかった「水色の街」を含む5曲を披露した。今回のライブでは特殊な舞台の構造もあり、通常のセンター位置に三輪テツヤ(G)、右に草野マサムネ(Vo,G)というポジションで行われたが、これはスピッツにとって初めてのこと。「センターじゃない場所で歌う夢がかなった」と不思議な喜び方をしたマサムネだったが、しかし実際にはステージの構造上この位置がセンターなのだという。これを聞き三輪は「ここセンターじゃないの!?」と残念そうな表情を浮かべ、会場の笑いを誘った。

続いてセンターステージに登場したのはChara。亀田率いるハウスバンドのプレイに合わせ、ミュージカル「アニー」のカバー「Tomorrow」や亀田プロデュースの「FANTASY」、大ヒットチューン「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」など5曲を熱唱した。会場の熱気に興奮したCharaは「わたしも『Charaの恩返し』がやりたい!」とコメント。「たった2日で終わってしまうなんてさびしくない?」「(『亀の恩返し』で)ツアーやっちゃう?」と提案すると、客席からは大きな歓声が上がった。まんざらでもない表情を浮かべた亀田だが、ビッグネームの揃ったライブだけにスケジュールの調整だけでも大変だろう。ファンとしてはぜひとも実現を願いたいところだ。

3番手には、スピッツと同じく2夜連続の出演となったKREVAが登場。マサムネとのコラボ2曲に書き下ろし曲「恩返し」、さらに「アグレッシ部」「あかさたなはまやらわをん」と計5曲を披露した。「恩返し」では演奏の手を止めているストリングスチームもハンドクラップで盛り上げる。チーム全体の一体感に感動したKREVAは、3つのステージを隅から隅まで疾走。ハッピーな空間を作り上げると、「これが亀の力か……」と感嘆の声を上げた。

4番手のDo As Infinityは「空想旅団」「遠くまで」「遠来」「冒険者たち」「陽のあたる坂道」とヒット曲を連発。亀田は10年前、Do Asがデビューしてすぐの頃から2人のサウンドを支えてきたが、ステージで共演するのは今回が初めて。亀田は「Do As復活おめでとう!」と満面の笑顔で彼らの再結成を祝福し、10年分の思いを込めたベースプレイで武道館を揺らした。

亀田のMCを挟みセンターステージに現れた絢香は、南側ステージに陣取るハウスバンドとの距離感に「この距離、すごく緊張します」と話しながらも、堂々とした歌声を会場じゅうに響かせた。2人の出会いは、絢香が1stアルバム「I believe」を発表した際、亀田がこのアルバムについての原稿を書いていたことがきっかけ。亀田を恐い人だと思っていた絢香だが「実際に会ったらこんな感じで」とその独特の佇まいについて話した。なお、この日が初披露となった2人の未発表コラボ曲「ありがとう。」は、現在のところ発売予定のないレアなナンバー。絢香史上もっとも音域の広い意欲作だけに、CDでのリリースに期待したい。

2日間におよんだ「亀の恩返し」の大トリは、スガシカオが務め上げた。スガは冒頭で「春夏秋冬」「真夏の夜のユメ」をじっくり歌い上げると、今度は一転「(亀田と)2人で作ったロックをぶちかまそうじゃありませんか!」と強烈なロックチューン「Hop Step Dive」を披露。基本的にはすべてのアレンジをひとりでこなすスガだが、この曲が完成して以来「ロックテイストでしか叫べないメッセージは、亀田さんと」と決めているのだという。続けて得意のファンクサウンドが炸裂する「コノユビトマレ」を全力でプレイし、最後は「1人でトリの責任をかぶるのがイヤなんで(笑)」とゲストボーカルに絢香を呼び込み、2人で名曲「夜空ノムコウ」を熱唱した。

さらにここから、ボーナストラック的セッションへとなだれ込む。まずはChara+スピッツ+Do As Infinity+ハウスバンドが、Charaの代表曲「やさしい気持ち」を演奏。そしてオーラスはスピッツを中心に、絢香のボーカルとハウスバンドを交えた「魔法のコトバ」で締めくくられた。

ステージ上のライトがすべて消えると、スクリーンには亀田の姿が。出演アーティストやイベントに携わったスタッフの名前がエンドロールとして流れる中、亀田が1人1人に愛情あふれる感謝の言葉を添え「亀の恩返し」は幕を下ろした。

「亀の恩返し」1日目 セットリスト

スピッツ
01. 春の歌
02. チェリー
03. メモリーズ
04. さわって・変わって
05. 正夢

秦基博
01. 朝が来る前に
02. フォーエバーソング
03. シンクロ
04. 新しい歌
05. 鱗(うろこ)

KREVA
01. 成功
02. 音色
03. くればいいのに with 草野マサムネ(スピッツ)
04. 生まれてきてありがとう with 草野マサムネ(スピッツ)
05. 恩返し
06. あかさたなはまやらわをん

JUJU
01. I can be free
02. 素直になれたら
03. やさしさで溢れるように

平井堅
01. 瞳をとじて
02. 哀歌(エレジー)
03. 思いがかさなるその前に…
04. 楽園
05. POP STAR

椎名林檎
01. 茜さす 帰路照らされど…
02. more
03. ギヴス
04. 閃光少女 with 平井堅
05. 丸の内サディスティック

スピッツ
01. 空も飛べるはず with 秦基博
02. 魔法の言葉 with JUJU

「亀の恩返し」2日目 セットリスト

スピッツ
01. 春の歌
02. チェリー
03. メモリーズ
04. 水色の街
05. 正夢

Chara
01. Tomorrow
02. Cherry Cherry
03. o-ri-on
04. FANTASY
05. あたしなんで抱きしめたいんだろう?

KREVA
01. 成功
02. アグレッシ部
03. くればいいのに with 草野マサムネ
04. 生まれてきてありがとう with 草野マサムネ
05. 恩返し
06. あかさたなはまやらわをん

Do As Infinity
01. 空想旅団
02. 遠くまで
03. 遠来
04. 冒険者たち
05. 陽のあたる坂道

絢香
01. おかえり
02. 夢を味方に
03. ありがとう。
04. 三日月

スガシカオ
01. 春夏秋冬
02. 真夏の夜のユメ
03. Hop Step Dive
04. コノユビトマレ
05. 夜空ノムコウ with 絢香

Chara
01. やさしい気持ち with スピッツ + Do As Infinity

スピッツ
01. 魔法のコトバ with 絢香

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読者の反応

たっきゅる👀👌(たくろー産) @TakuroMasuda

しおりんソロ曲に楽曲提供してくれてめちゃくちゃ嬉しい!
師匠ありがとう!
次はももクロお願いします🙏

#あのライブ現地だったんですよ選手権

https://t.co/nnbSCRQRkR

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