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X JAPAN、18回目の東京ドームで4時間壮絶ライブ

X JAPANが5月3日、通算18回目となる東京ドーム公演「X JAPAN WORLD TOUR Live in TOKYO ~攻撃続行中~ ~18回目の夜~SPECIAL」を実施した。

前日に同会場で約5万5千人のオーディエンスを、3時間以上にわたり熱狂させた新生X JAPAN。SUGIZO(LUNA SEA)を含む新編成で2度目となるこの日のドーム公演をもって、日本人ロックバンドとしては東京ドームでの過去最多公演数を更新。前日以上の熱いパフォーマンスを繰り広げた。

開演前の会場には、早くからサイリウムを両手に持った大勢のファンが集結。外はまだ明るい17時24分に会場が暗転すると、会場の熱気は一気にヒートアップ。前日同様に「Rusty Nail」でライブがスタートし、ステージ上のメンバーは前日以上にアグレッシヴなパフォーマンスで観客を沸かせた。TOSHIはステージの左右を動き回り、見切れ席の観客にもその姿を見せるなどのサービスぶり。MCでは「元気だったか、東京ドーム! 今日は東京ドームの2日目。最終日なんで、お前たち悔い残すなよ!」と叫び、観客のボルテージを上げていく。

ライブ序盤は前日と同じ構成だったが、4曲目には前日演奏されなかった「DRAIN」を披露。TOSHI、PATA、HEATHが無機質なインダストリアル・サウンドをバックにパワフルな歌と演奏を聴かせてくれた。スクリーンにはコーラスパートを歌うHIDEの姿が映し出され、その場面になるとこれまで以上に大きな歓声が会場中に響きわたった。

続いてTOSHIとPATA、HEATHがアコースティック編成で「Longing」を演奏。TOSHIの伸びやかな歌声にあわせ、観客も気持ちを込めて大合唱する場面からは、解散前のX JAPANのライブと変わらぬ一体感を味わうことができた。

HEATHがTOSHIを背負ってステージ袖に捌けると、今度は両手に薔薇の花束を持ったYOSHIKIが登場。紅色のガウンを着て会場中を走り回り、ファンに笑顔でピースサインを贈る。前日の公演はさまざまなトラブルを乗り越えての1公演目、さらにHIDEの命日ということもあってか、どことなく感傷的な表情を見せることが多かったYOSHIKI。しかしこの日は印象的な笑顔を見せ、リラックスした雰囲気を感じさせてくれた。

YOSHIKIはピアノの前に座るとうつむき、祈るように両手を組む。そして意を決したかのように「Tears」を奏で始めた。すぐそばにはTOSHIが立ち、ときに繊細、ときに力強い歌声で「Tears」をドラマチックに盛り上げていった。

曲が終わると、今度はSUGIZOがエレクトリック・バイオリンを持って登場。YOSHIKIのピアノとクラシカルなセッションを続け、その演奏は次第に「紅」のメロディを奏で始めていた。そこにTOSHIのボーカルが加わると、観客も一緒に大合唱を開始。おなじみの「紅だぁーっ!」のシャウトと同時に会場中に銀テープが放たれ、再びアグレッシヴなX JAPANのライブに突入した。

本編ラストでは、TOSHIの「てめぇら最後だ、思いっきり暴れん坊将軍でいけー!」という煽りに続き高速チューン「オルガスム」を披露。その演奏やアクションは、とても前日に3時間以上ものライブをした人間のものとは思えないほどにパワフルなもの。TOSHIはしきりに「やるときゃやれこらーっ!」とファンを煽り続け、サビパートでは絶妙なコール&レスポンスを聴くことができた。

そして曲は中盤から打ち込みビートに切り替わり、インダストリアル調のアレンジに移行。YOSHIKIはドラムセットを離れ、アリーナに降りて客席にCO2を噴射して回る。さらにスクリーン両脇から、X JAPAN仕様のキティちゃんバルーンも登場。その間もTOSHIやPATA、HEATH、SUGIZOは演奏を続けつつ、観客を煽る。再びステージに戻ったYOSHIKIはドラを叩きまくり、ムチで床を叩きつけるなど、さらに激しい姿を見せつけつつ、最後には頭からペットボトルの水をかぶり、ドラムセットへと帰還。そして楽曲はクライマックスへと突入し、10分以上にわたる壮絶な演奏が終了。ライブ開始から2時間近い時間が経過していたものの、オーディエンスの興奮はまだまだ冷めやらず、アンコールを待つ間に再びヒートアップしていった。

最初のアンコールでは、前日同様にVIOLET UKのナンバーをバックにしたファッションショーがスタート。スクリーンには和テイストとゴステイストを融合させた映像と、「VIOLET UK」「h.NAOTO」の文字が映し出され、X JAPANのステージとはひと味違った妖しさが醸し出されていた。

続いて、YOSHIKIのドラムソロがスタート。YOSHIKIは前日以上に攻撃的なプレイを見せ、何度か床に倒れ込むものの、その度にすぐ立ち上がってドラムセットに向かい、より激しいドラムプレイで観客を沸かせていった。

ドラムソロが終わると、今度はTOSHIがオーケストラをバックに「WITHOUT YOU」を歌い始める。TOSHIの歌声に耳を傾けながら、感極まり床に倒れ込むYOSHIKI。しばらくして立ち上がると、うつむきながらステージに戻りTOSHIと熱い抱擁を交わした。そしてピアノで演奏に加わり、ドラマチックなバラードを亡きHIDEに向けて届けた。

2度目のアンコール冒頭ではいきなり「World Anthem」が会場に響きわたり、ここから激しいライブの再開をアピール。YOSHIKIがピアノで「I.V.」のフレーズを弾き始め、観客はコーラスパートの大合唱で応える。TOSHIが「今日は全世界から来てくれてるぜ。こないだフランスと韓国の公演が延期になっちゃって、今日は韓国のファンもフランスのファンも来てくれてるんだ」と話し、花道付近にいた海外のファンをステージに招き入れた。次々と海外のファンのそばに寄っていき、挨拶を交わすX JAPANのメンバー。TOSHIは「フランス公演も韓国公演も延期しちゃってゴメンね。YOSHIKIがかならず行くからって言ってるから」と謝罪をし、ファンから手作りのフラグを受け取った。

ファンとの交流が一段落すると、再び「今日ここに来れなかったファンがパソコンの前にいるぜ。全国のお茶の間に、お前たちの声を響かせろよ!」「老若男女問わず、腹から来い!」と攻撃的に煽るTOSHI。そしてバンドは「I.V.」を演奏し始め、アグレッシヴなパフォーマンスで観客を熱狂させた。

その勢いのまま、演奏は「X」に突入。バンドも観客も残った力を振り絞って一緒に歌い、ジャンプした。曲の終盤ではYOSHIKIがドラムを離れ、ステージ中を回ってファンを煽る。さらにTOSHIの頭に水をかけ、ドラを倒し、床に寝転がって「We are~」「X!」のコール&レスポンスを繰り返した。さらに、HIDEの「飛べー」コールが会場中に鳴り響くと、観客はさらにヒートアップ。演奏を終えると、YOSHIKIは床に倒れ込んでいたが、どのメンバーの顔からも自然と笑みがこぼれていた。

この時点ですでに3時間を超えていたものの、TOSHIは「もう一発いくぜー!」と叫び「ENDLESS RAIN」を歌い始める。ギターソロでHIDEの映像が映し出されると、歓声はよりいっそう大きなものに。メンバーがステージを去っても、観客は「ENDLESS RAIN」を歌い続け、その合唱は再びバンドがステージに登場するまで鳴り止むことはなかった。

いよいよこの日最後のナンバーだ。暗闇の中から印象的なピアノのフレーズが鳴り始めると、会場からは悲鳴にも似た歓声が沸き起こった。そう、これは大作「ART OF LIFE」の一節だ。しばらくすると白いシャツを羽織ったYOSHIKIがステージに登場。このピアノのフレーズにあわせ、華麗なピアノソロを弾き始めた。すでに体力の限界なのか、ときどき椅子からずり落ちながらも、床に座ったまま鬼気迫る演奏を続けるYOSHIKI。10分近くにおよぶピアノソロを経て、劇的なバンド演奏がスタートした。昨年の東京ドーム公演初日では、この曲の最後にYOSHIKIが気を失いライブが終了するというアクシデントもあったが、今回バンドはこの大作を最後まで演奏。演奏を終えると、床に倒れ込むYOSHIKI。しかし昨年とは違い、そのまま自力で立ち上がり、完全燃焼したことに対する満足げな表情を浮かべていた。

この日のライブは、前日より1時間長い、約4時間という長時間におよぶ壮絶なもの。通算18回目の記念すべき東京ドームライブは、改めてX JAPANというモンスターバンドの底力をファンに見せつけた歴史に残るライブとなった。

※関連記事:6人編成のX JAPAN、苦難乗り越え東京ドームで攻撃再開

セットリスト

01. SE (AMETHYST) ~ Rusty Nail
02. WEEK END
03. Jade(新曲)
04. DRAIN
05. Longing
  SE ~ Piano Solo
06. Tears
07. 紅
08. オルガスム
--ENCORE--
E1. Fashion Show
E2. Drum Solo
E3. WITHOUT YOU
--ENCORE--
E4. SE (World Anthem) ~ I.V.
E5. X
E6. ENDLESS RAIN
--ENCORE--
E7. ART OF LIFE
SE (Say Anything)

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