年内で活動終了の古川本舗、360°ステージのバンド編成ライブで会場は歓喜の渦に

年内のライブをもって活動終了することを発表した古川本舗が、9月20日に東京・新宿FACEでワンマンライブ「.CALL.」を実施。レコーディングメンバーを中心とするバンド、Fullkawa Head .Q. Music Groupとしてアコースティックライブを繰り広げた。

会場となった新宿FACEは、普段はプロレスなどの格闘技の興行が開催されている場所。この日は中心に設置されたステージを客席が360°囲むという形で会場が組まれ、古川やバンドメンバーたちは互いを見るように円陣のフォーメーションを組んで演奏を行った。「Good morning EMMA Sympson」からライブがスタートすると、オーディエンスは軽快なサウンドに乗せて体を揺らしながら早くも大盛り上がり。曲が終わるたびに四方から大歓声が湧き上がり、会場中が高揚感で満たされた。この日演奏された曲はキクチリョウタ、ちびた、そして古川が交代でメインボーカルを担当。楽曲のアレンジはどれもアコースティック編成のバンド用に大幅に変更されており、「スーパー・ノヴァ」ではゆったりとしたさわやかな演奏で会場にリラックスした雰囲気を作り出した。

古川は最初のMCで、年内で活動を終了することを改めて来場者に報告。「言うこといろいろ考えてたけど、こういうときって思いつかへんな（笑）」と話しながら笑顔を見せた。さらに「ラストアルバムは出しません。最後だから作るってものいやらしいかなと思って。でも最後にライブアルバムとライブDVDを出します」と、この日の模様が作品化されることを発表。この言葉に客席からは割れんばかりの歓声が沸き上がった。さらに彼は、古川本舗としてのラストライブが12月4日になることを告知。また11月7日に東京・原宿ストロボカフェで昼夜2公演のライブイベント「SINGALONG vol.9＆vol.10」を行い、vol.9に対バンとしてキクチリョウタ、ちびたを迎えることをアナウンスした。

ライブ後半は曲ごとにメンバー構成を変えて少人数でのパフォーマンスが展開された。ちびたのボーカル、古川のギターだけでシンプルに演奏された「Alice」、キクチのギターと久保裕矢のピアニカを迎えて古川が歌った「クロエ」、そこに和田たけあきのギターを加えて古川とキクチが美しいハーモニーを響かせた「emma brown」などが次々と披露され、場内はしっとりとした雰囲気に。観客は古川の指示で椅子に着席し、息を呑んで演奏に聴き入っていた。その後「バンドワゴン」が始まると、オーディエンスは手拍子をしながら再び総立ちに。ちびたが人差し指を真上に突き上げると、観客も一斉に指を挙げて踊る。古川の「歌う準備はできてますかー？ 最後でっかい声を聞かせてくれー！」という叫びとともに「アン＝サリバンの休日」がスタートすると、メンバーの楽しげな演奏に呼応するように観客も横ノリで手拍子をしながら歌を口ずさみ、会場中がハッピーな雰囲気に。演奏が終了してステージを去るメンバーに、観客から力いっぱいの拍手が送られた。

アンコールをでメンバーが再びステージに現れると、古川は「アンコールでは2曲やろうと思ってたんですけど、皆さんのおかげで3曲やることにしました」と話し、それを聞いたオーディエンスは大喜び。「別にしみったれた話じゃないんですけど、この間、友達が遠くに行ってしまいました。その友達が好きだった曲を歌います。彼もおそらくその辺に化けて出てくるでしょう」と説明したのち「魔法」の演奏が始まり、古川は切実な思いを込めるように力強い声を響かせた。その後、古川は「ずっとライブをやっていたいけど、あんまりやるとありがたみがなくなるよね（笑）」「古川本舗のラストアルバムに参加してくれて、みんなどうもありがとう！」と来場者に別れの言葉を述べ、「girlfriend」と、この日2度目の「アン＝サリバンの休日」をプレイ。ライブが終わると熱い拍手が沸く中、メンバーは自分たちを囲むオーディエンスとハイタッチしながら、客席をぐるっと1周して退場した。