中村一義、“Rockでなし”たちを沸かせた「海賊大宴会」東京公演

中村一義が9月11日に東京・LIQUIDROOMでツアー「中村一義・バンドライブツアー『RockでなしRockn'Roll 2015～海賊大宴会～』」の初日公演を開催した。

このツアーで中村は、“海賊”と名付けたバンドでライブパフォーマンスを実施。SEとしてディズニーの「カリブの海賊」のテーマ曲「Yo Ho（A Pirate's Life for Me）」がかかると、観客の手拍子に迎えられてバンドメンバーが登場する。彼らが観客とともに「Rockでなし！」「Rockn'Roll！」とコール＆レスポンスをしてから演奏を始めると、中村は麦わら帽子をかぶったさわやかなスタイルで勢いよくステージに現れた。「RockでなしRockn'Roll 2015!」と彼が声を上げると、客席からは大歓声が起こる。観客の声を聞いて笑い声を上げた中村は「みんなろくでなしだな本当に！」とうれしそうに話し、「ロックンロール」でライブをスタートさせた。

中村の「景気付けにデビュー曲からやっちゃおうと思います」という言葉から披露された「犬と猫」ではオーディエンスとの「どう?」のシンガロングが会場に陽気な雰囲気を作り出す。続く「ショートホープ」で観客は待ってましたと言わんばかりにジャンプしたり手を挙げたりとヒートアップ。中村は「汗だくだよ（笑）。みんなあちーぜ！ 最高！」とオーディエンスを賞賛したあと、ビクターエンタテインメントへ移籍すること、現在レコーディング中だということを報告した。その後レコーディングしている楽曲の中から「大海賊時代」が披露されることに。中村のリクエストにより、同曲の演奏前にナレーターとしても活躍しているメンバー・平床政治（G / Hermann H.&The Pacemakers）が低音のよく通る声で歌詞を熱く読み上げると、ファンから笑いと大きな拍手が起こった。

MCで台風18号による大雨被害について言及した中村は「被害を受けた人たちを支えたい。こんな歌しか歌ってない俺が何できるかわかんないけどさ」と語り、「そんな気持ちを込めて構成したブロック」として「素晴らしき世界」「威風堂々（Part1）」「威風堂々（Part2）」「新世界」を熱のこもった歌声で次々と披露していった。バンドメンバーの紹介が行われたあとは、岡本洋平（G, Cho）と平床が所属するバンド・Hermann H.&The Pacemakersの楽曲の中で、中村が大好きだという「ROCK IT NOW!」のカバーが演奏された。ここでウルフこと若井悠樹（Wolf / Hermann H.&The Pacemakers）が突如ステージに現れ、アグレッシブなパフォーマンスで観客を盛り上げていく。その後オーディエンスの手拍子とシンガロングが会場を温かく包んだ「ジュビリー」や「ハレルヤ」といったナンバーを経て、本編最後に中村は「ここらで一発みんなででけえの打ち上げますか！」と声を上げる。そして披露された「1,2,3」でオーディエンスはとびきり大きな声でシンガロングし楽曲を楽しんだ。

アンコールを受けて登場した中村は、地元である東京都江戸川区の江戸川区総合文化センターにてライブ「エドガワQ2015」を開催することを発表。さらにこのライブが1stアルバム「金字塔」の再現ライブとして実施されることを伝えると、客席からは歓喜の声が上がった。彼はライブの開催理由について「そろそろ20周年だからね。でもひねくれてちょっと前にやっちゃおうと思って」と笑う。そしてアンコールの1曲目として選ばれたのは、中村と町田昌弘（G）が今年3月から5月にかけて開催したトーク＆弾き語りライブツアー「まちなかオンリー！2015」で新曲として披露されていた「スカイライン」のバンドアレンジバージョン。町田がこの曲のために購入したというバンジョーの音色が印象的に楽曲を彩った。ライブのラストナンバー「キャノンボール」では、バンドメンバー全員が躍動感のある熱いパフォーマンスを繰り出す。中村は海賊旗をステージで掲げ、バンドメンバーと肩を組んでから感謝を述べてステージをあとにした。

なお中村は「中村一義・バンドライブツアー『RockでなしRockn'Roll 2015～海賊大宴会～』」の大阪公演を9月15日に、愛知公演を昨日17日に実施し、ツアーの全公演を終えた。