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「音泉魂」快晴で迎えた興奮と感動の“闘魂編”

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レキシのライブの様子。(撮影:渡邉一生)

レキシのライブの様子。(撮影:渡邉一生)

9月5、6日に大阪・泉大津フェニックスで野外フェスティバル「OTODAMA'15~音泉魂~」が開催された。メインステージの“大浴場ステージ”、サブステージの“露天風呂ステージ”の2つに加え、テントステージの“貸切!宴会場テント”、“秘湯!SET YOU FREEテント”などで行われた「OTODAMA'15~音泉魂~」。この記事では初日公演「闘魂編」の模様をレポートする。

今年の「音泉魂」のトップを飾ったのは露天風呂ステージに登場した18歳の若手アーティスト・シンリズム。彼はバンドを従えて登場し、「心理の森」や新曲「ミュージックライフ」などポップな楽曲群を届けた。大浴場ステージでは清水音泉の番台(代表取締役)の清水裕氏の挨拶に続けて、ガリガリガリクソンがDef Tech「My Way」をBGMに「どうもー!“デブテック“ですー!」と挨拶しつつ登場。リー五世とともに軽快なトークで観客を笑わせ、レキシへとバトンを渡した。

2年ぶりの「音泉魂」出演となるレキシは長めのMCを挟みつつ、「年貢 for you」でムーンウォークにチャレンジしたり、「salt & stone」で大塩平八郎コールを巻き起こすなどコミカルなパフォーマンスと安定感のある歌声を披露。bonobosは「グッドモーニング・マイ・ユニコーン」から軽快なサウンドを鳴らし、そして好天に恵まれた野外会場にぴったりな雰囲気の新曲「うつくしいひとたち」などでさわやかなサウンドを届けた。真心ブラザーズは10月7日リリースのカバーアルバム「PACK TO THE FUTURE」よりアン・ルイス「グッド・バイ・マイ・ラブ」のカバーを演奏したほか、人気曲「どか~ん」「ENDLESS SUMMER NUDE」で場内に一体感をもたらした。Polarisは時折涼しげな風が吹き抜ける中、「光と影」などで浮遊感あふれるサウンドを響かせる。ゲストプレイヤーとしてクラムボンのミト(Key, G)と伊藤大助(Dr)を迎え、オオヤユウスケ(Vo, G)は「ヤベー楽しいな! でもたくさん曲やりたいからあんまりしゃべらんよ」と宣言して、短い時間の中で「季節」など全4曲を演奏した。

ハナレグミはアコースティックギターの弾き語りでSUPER BUTTER DOG時代の楽曲「サヨナラCOLOR」や、Asa「360°」の日本語カバーを届ける。ライブ中盤には、永積崇が真心ブラザーズのYO-KINGをステージに呼び込み、「祝福」と真心ブラザーズ「のり弁女」のカバーでコラボする場面も見られた。露天風呂ステージのYOUR SONG IS GOODはサウンドチェックの段階でハイテンションなセッションを繰り出すと、その音に吸い込まれるように多数の観客がステージ前に押し寄せた。彼らは観客とコール&レスポンスに興じたり、サポートメンバー・松井泉(Per / ex. bonobos)による陽気なビートにあわせ、にぎやかなセッションを展開した。

大浴場ステージの4番手を飾ったのは東京スカパラダイスオーケストラ。彼らは揃いのブラックスーツで登場し、「火の玉ジャイヴ」「ルパン三世 '78」などを演奏して観客の高揚感を煽る。ライブ中盤にはハナレグミの永積崇がゲストとして招かれた。永積が「さっき、たこ焼き屋のおっちゃんに沖(祐市 / Key)さんが今日、誕生日だって聞いた」と話すと、メンバーは即興で「Happy Birthday To You」を演奏して沖を祝福。その後スカパラは永積とのコラボで「追憶のライラック」を演奏した。アナログフィッシュは9月16日に発売するニューアルバム「Almost A Rainbow」から新曲「Baby Soda Pop」を1曲目に送り、ポップなナンバー「Fine」では佐々木健太郎(Vo, B)がテンション高く腕を勢いよく回しながらベースを弾くパフォーマンスを見せていた。そして美しいハーモニーで「抱きしめて」の歌詞を「『音泉魂』観たいから引っ越そう」と変えつつ披露するなど、自由な雰囲気のライブを続けた。

クラムボンは序盤にSmall Circle of Friends「波よせて」や、ランカ・リー(中島愛)「星間飛行」のカバーを届けて、会場にハッピーな空間を生み出す。そして原田郁子(Vo, Key)による語りから始まった「便箋歌」や、「バタフライ」と続け、「バイタルサイン」ではミト(B)がベースをラックケースなどに叩きつける激しいアクションを見せた。ミトはこのイベントに対して「本当に楽しい」と何度も口にし、「また来るから!」と「音泉魂」での再会を約束。SCOOBIE DOはトレードマークの白いスーツを身にまとったコヤマシュウ(Vo)が「みんなは客じゃなくて主役だから!」と呼びかけて観客との距離感を縮め、「PLUS ONE MORE」では幾度となくコール&レスポンスに興じた。ライブ中盤には9月23日にリリースされるニューアルバム「Extra Funk-a-lismo! -Covers & Rarities-」に収録されるフィッシュマンズ「疲れない人」のカバーを演奏し、東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊を迎えた「新しい夜明け」でライブを終えた。またこの日、宴会場テントではボールズSuchmosらがライブを行っており、D.W.ニコルズは「スマイル」などを元気にプレイしたり、"YAKITATE"と書かれた自身のグッズをネタに“YAKITATEコール”を生み出すなど観客を楽しませていた。

日が落ち始めた頃、大浴場ステージに登場したのは高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井というそうそうたるメンバーが名を連ねるMETAFIVE。「新しいアルバムも出ます。そんな中からノリノリの曲を」という高橋のMCに続けて、彼らは2016年1月発売予定の新作アルバムに収録予定の「Don't Move」「Maisie's Avenue」を披露した。そしてラストにYMOのカバー「Cue」で観客を湧かせた。TK(凛として時雨)はエレピの前に座って1曲目に「罪の宝石」を演奏。その後アコースティックギターを抱えて凛として時雨「テレキャスターの真実」などのセルフカバーを届け、観客を魅了した。またライブの途中にチェリストとピアニストを迎えて、「感覚UFO」「seacret cm」などを演奏し、ラストはTKのみで「tokio」を届けた。

大浴場ステージでトリを飾ったフィッシュマンズはゲストボーカルにクラムボンの原田郁子を迎えて出演。1曲目「Go Go Round This World!」からライブをスタートさせた。ゆったりとしたビートに乗せて茂木欣一(Dr, Vo)と原田による美しいハーモニーがこだまする「MAGIC LOVE」のあと、MCで茂木はフィッシュマンズの大阪でのライブが約10年ぶりであるということや、バンドが1990年代に主催していた企画名が「闘魂」であり、今回の「音泉魂」初日公演のサブタイトル「闘魂編」がフィッシュマンズの自主企画から名付けられていることなどを語り主催者に感謝の意を示した。その後バンドは「頼りない天使」「Weather Report」「ナイトクルージング」と名曲を次々にプレイし、最後は1999年に亡くなった佐藤伸治(Vo)のボーカルトラックから始まった「いかれたBaby」でフィニッシュ。演奏後には花火が打ち上がり、感動的な雰囲気の中で初日公演が締めくくられた。なお終演のアナウンス後、露天風呂ステージでは赤犬が“湯上がりアクト”として登場。ムード歌謡風のナンバーを演奏したり、メンバーがステージを降りて観客とチークダンスを行うなど賑やかなライブを行った。

※記事初出時、一部キャプションに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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