“3ピースロックバンド”真空ホロウ、ラストライブでそれぞれの決意表明

真空ホロウが7月18日に東京・東京キネマ倶楽部にて「真空ホロウ TOUR 2015梅雨 ～回想列車で全国へ。嘘です本当は機材車です。～」のツアーファイナルを実施した。

村田智史（B）と大貫朋也（Dr）が脱退し、松本明人（Vo, G）のソロプロジェクトとなることを発表していた真空ホロウ。会場にはこの日が真空ホロウでのラストライブとなる村田と大貫を見ようと多くの人が駆けつけ、異様な熱気に包まれていた。

松本の「真空ホロウへようこそ」というおなじみの挨拶から、バンドは「開戦前夜」でライブの幕開けを飾る。イントロのギターリフが印象的な「被害妄想と自己暗示による不快感」を経て、最初のMCで村田は家族や親戚総勢30人が地元茨城からバスでやってきたことを明かしつつ、「最高の1日にしようね」と観客に呼びかけた。そしてヘビーなサウンドと松本のけだるい歌声が絡み合う「新世界より」でライブは再開。3人はそのまま「虹」「こどものくに」「CAGE」をドロップしてオーディエンスをディープな世界へ誘った。

続いて松本による弾き語りのコーナーへ。彼は「このあと山場がありますのでブレイクタイムです」と言いながらも鬼気迫る表情で「ミラードール」を歌い上げ、さらに新曲「ひかりのうた」も披露して観客の目を釘付けにした。その後、再び3人になり歌謡テイストの「Tokyo Blue bug」、バラードナンバー「回想列車」を披露すると、今度は大貫がドラムソロで観客を魅了する。そこへ村田が加わり2人で息の合ったアンサンブルを奏で、さらに松本も加わって「アナフィラキシーショック」へなだれ込む。観客の興奮も一気に高まり、アッパーな新曲「執着地点」や、キラーチューン「闇に踊れ」「Balance cont(r)ol」と続く。最新アルバム「真空ホロウ」に収録されているダンスロック「MAGIC」ではシンガロングが巻き起こり、ラストは「バタフライスクールエフェクト」で締めくくられた。

アンコールではまず、大貫と村田が登場。大貫が「こういう形になってしまったけど、真空ホロウは続いていくし、うちら2人もきっと音楽を続けていくと思うから、これからも応援してもらえたら」と挨拶する。村田は「大貫くんはホント口下手だね。本当はいっぱい言いたいことあんだよ」と言いつつ、「みんな、こんな俺たちにすごくよくしてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。こうやって続けてこられたのはみんなのおかげです。今日も改めて音楽の楽しさを教えてもらいました」と自身の思いを語る。鳴り止まない拍手に「いろいろ言おうと思ったけど全部飛んじゃった」と目頭を押さえ、「悔いのない人生をお互い送りましょう。松本くんをこれからもよろしくお願いします」と呼びかけた。

アンコールで披露されたのは、インディーズ時代の「I do?」と、「Highway My way」。演奏後、村田はマイクを床に置き、盛大な拍手に包まれながら大貫と2人で舞台袖にはける。1人残った松本は「今日あなた方を見ていて、たとえ1人になったとしても孤独にはならないとわかって安心しました。これからも歌い続けていく決意をすることができました」と挨拶してステージをあとにした。