フジファブリック×ウルフルズ“中堅VSベテラン”の念願対バン

フジファブリックが7月1日と2日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて自主企画イベント「フジフレンドパーク2015」を開催した。この記事ではウルフルズが対バン相手として出演した2日公演の模様をレポートする。

1番手のウルフルズのライブはいきなり大ヒット曲「ガッツだぜ!!」から始まり、集まったオーディエンスからは大歓声が起こる。「借金大王」では途中でトータス松本（Vo, G）が曲の内容に合わせて「ギリシャはどうするんですかね？（笑）」と話し始め、フロアを笑わせた。新曲「ボンツビワイワイ」で会場はさらに盛り上がるが、続く「笑えれば」では圧巻の演奏とボーカルにじっくりと聴き入っていた。

中盤のMCでトータスは「こういう形の対バンは久々で、この立場の難しさね（笑）。だってフジファブリックは若手じゃないでしょ？ 中堅？ そうすると我々は……」と頭を悩ませるが、フロアからの「ベテラン！」という声に「おうそうか、じゃあベテラン感出していこうか。お前らよう来たな！（笑）」と態度を急変させてオーディエンスを大爆笑させる。後半ではフジファブリックから山内総一郎（Vo, G）を迎え、「サマータイム・ブルース」の憂歌団バージョンをカバーする。大阪府茨木市出身の山内は「僕、サンコンさんの実家で自転車買ったことあります（笑）」と、同郷で実家が自転車店のサンコンJr.（Dr）との意外なつながりを明かし、メンバーや観客を驚かせた。

終盤には「ベテランらしい曲をやります！ ベテランにしかできません」とトータスが前置きをして「バカサバイバー」を演奏し、場内をさらに盛り上げる。ラストは「いい女」で締めくくられた。

続くフジファブリックのライブは「陽炎」からスタート。熱さと切なさを併せ持ったサウンドが会場を包み込む。さらに「はじまりのうた」「Sugar!!」と曲が続いたあと、山内は「僕が初めて買ったCDがウルフルズで。さっきステージに出させてもらったけど、涙が出るかと思いました。感動しました」と共演を終えての思いを明かした。

中盤では新作ミニアルバム収録曲の「夢みるルーザー」と「Green Bird」を披露。「Green Bird」はこれまでのフジファブリックのサウンドから一線を画した壮大なメロディとアレンジで、彼らの新境地をアピールした。その後のMCでは山内と同じくウルフルズを敬愛する金澤ダイスケ（Key）が「僕らのイベントにウルフルズが出てくれてるんですよ！」と喜びを語り、加藤慎一（B）はウルフルズのジョン・B・チョッパー（B）と「人見知りベース飲み会」を開催したというエピソードを披露した。

ここでメンバーたちはウルフルズへの敬意を表し、「バンザイ ～好きでよかった～」をワンコーラス披露。山内が歌詞を間違えてしまうハプニングがありつつも、力強い演奏でオーディエンスを魅了した。その後は「夜明けのBEAT」「バタアシ Party Night」などを続々と演奏していく。ラストナンバー「LIFE」が終わると山内は「楽屋に帰ったら『バンザイ』の歌詞を間違えたこと謝ります！」と叫び、観客を笑わせた。

アンコールで再びステージに登場した山内は先ほどの歌詞間違いを引きずった様子で「……なんで間違えるかなー……」と反省し続ける。ここで彼らに呼び込まれ、ウルフルズの4人もステージへ登場した。松本は「いきなり『バンザイ』歌い出すから、びっくりしてステージ袖に飛んでって観てたんよ。うれしかったですよ、歌詞間違えてたけど（笑）」と突っ込み、山内を恐縮させた。

そして両バンド合計7人でウルフルズの「ええねん」をセッション。ぴったり息の合った演奏やコーラスに、フロアからは万雷の拍手が起こった。曲が終わると山内は「ウルフルズは本当に『フジフレンドパーク』のことを愛してくれていて。このイベントを続けていきたいな、と思っています」と語り、ラストナンバー「徒然モノクローム」を演奏した。