H ZETT M、まらしぃが白熱ピアノトリオ対決「年内にまたやりたい」

H ZETT M率いるH ZETTRIOと、まらしぃを擁するlogical emotionという、ピアノトリオバンド2組によるツーマンライブ「PIANO TRIO TOGETHER」が6月6日に東京・国立音楽院 KMAパラダイスホールで開催された。

以前よりコラボアルバムの制作やライブへのゲスト参加などで交流があったH ZETT Mとまらしぃ。彼らが今回のライブを行ったのは、logical emotionが今年2月にリリースした初の全国流通アルバム「LOGISTIC FUNCTION～VOCALOID SONGS COMPILATION～」を面白がったH ZETT Mが、Twitterで「トリオたいけつしようよ^ ^」とまらしぃに声をかけたことがきっかけとなった。ライブのチケットは発売初日でソールドアウト。2組の競演をひと目観ようと集まった人々で会場は満員となった。

まずはlogical emotionのライブからスタート。「LOGISTIC FUNCTION～VOCALOID SONGS COMPILATION～」に収録されたボカロ曲カバーを中心に、東方Projectの楽曲やオリジナル曲を披露した。まらしぃが奏でるピアノの美しい響きとは真逆の、drmによる歪んだ攻撃的なベース、そしてその2人の音色をロックサウンドとしてまとめあげるタブクリアの激しいドラムが科学反応を起こし、曲ごとにさまざまな表情を見せていた。ライブ後半、まらしぃが突然H ZETT Mをステージに招き入れ、観客から驚きの声が上がる中、4人で「情熱大陸」を演奏。H ZETT Mとまらしぃがイントロでキャッチボールをするように掛け合いを繰り広げたのち、ドラムとベースが2人のピアノをさらに加速させた。

logical emotionによる50分間のステージが終了すると、転換を挟んでH ZETTRIOのライブがスタート。テクニカルなピアノと、それを支えるキレのあるリズムセクションを武器に、独自のアンサンブルを響かせた。この日は4月から2週間おきにリリースした配信シングル3部作を中心に、スタンディングの会場を意識したのかいつも以上に激しい楽曲を多く披露。卓越したピアノプレイと心地よいグルーヴで会場を魅了していく。

ライブ終盤になると今度はH ZETT Mがまらしぃをステージに呼び寄せた。まらしぃは鼻をピンク色にメイクして“H ZETT まら”として登場し、会場に笑いが起きた。しかし演奏が始まれば空気は一変。ボッサ調のリズムにメロディアスなピアノが響く「Get Happy!」に普段とはひと味違うホンキートンク風のプレイでまらしぃが応戦した。息の合った演奏を繰り広げつつ、まらしぃは終始リズムに合わせて手を上下させており、このセッションを心から楽しんでいるのを感じさせた。

H ZETTRIOの演奏が終わり、場内にアンコールの声が沸き上がると、H ZETT M、まらしぃのピアニスト2人がステージに登場した。最後にアンコールで行われたのはピアノ対決。まらしぃとkors kのコラボユニット・maras kによる7月22日発売のアルバムに収録される新曲「Piano Ninja」と、H ZETT M監修のピアノ速弾きコンテストの課題曲になった「炎のランニング」の2曲を2人で演奏し、それぞれのピアノテクニックを存分に競い合った。最後はこの日の1曲目としてlogical emotionが披露した「千本桜」を、今度はピアノ2台によるアレンジで演奏。こうして約2時間半におよんだピアノショーの幕が下りた。

イベント終了後、来場者にはおみやげとして、logical emotionとH ZETTRIOの楽曲が2曲ずつ収録された会場限定CDがプレゼントされた。なお、ライブ後に行われたメンバー同士での打ち上げでは「ぜひまた一緒にライブをしよう」と盛り上がったとのことで、H ZETT Mは自身のTwitterにて「年内に大阪でまたやりたいという話になっております」とコメントしている。