aiko、地元大阪で3時間超えのツアー千秋楽

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aikoの全国ホールツアー「Love Like Pop vol.17」のファイナル公演が10月14日、大阪・フェスティバルホールにて行われた。

aiko。写真は2014年8月27日、東京・NHKホール公演の様子。

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このツアーは今年5月に発売されたニューアルバム「泡のような愛だった」を携えて、6月24日の神奈川・よこすか芸術劇場公演を皮切りに全国19都市で計30公演実施。約4カ月に及んだこのツアーの千秋楽を彼女は地元・大阪で迎えた。

aiko。写真は2014年8月27日、東京・NHKホール公演の様子。

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大勢のファンが詰めかけた会場では、開演を告げるアナウンスに観客が拍手を送ったりBGMに合わせて手拍子をしたりと、ライブ開始前からヒートアップ気味。そして会場が暗転しステージ前方の幕に映像が映し出されると、客席からは大歓声が沸き起こる。さらに聞き覚えのあるピアノのフレーズが流れ出すのと同時に幕が下りると、もう1枚の紗幕にaikoのシルエットが浮かび上がり、歓声もさらに大きなものに。そのまま1曲目「明日の歌」に突入すると紗幕も下ろされ、赤いTシャツを着たaikoがステージに登場する。aikoはオープニングから非常に伸びやかな歌声でファンを魅了。続く「二人」ではバンドの勢いが早くも加速し、これに合わせるように客席の熱気もさらに高まっていった。

2曲歌い終えたところで、aikoは「今日は最終日です。最後までたっぷりやるんで、よろしくお願いします!」と挨拶。そのまま「beat」「愛の病」と、ライブ序盤からアップチューンを2連発する。そしてバラードナンバー「瞳」ではaikoの切なくてエモーショナルな歌声が、それまでの空気を一変。観客はシーンと静まり返り、彼女の歌にじっくり聞き入った。

続くMCでは、大阪のファンに向けて「ただいま!」と改めて挨拶をするaiko。「最終日を大阪で迎えることができて、本当にうれしいです」と喜びを口にしてから、観客から掛けられる言葉の1つひとつに対して丁寧に返事をしていく。ここでは前日に大阪を通過した台風19号の話題から「『好き』ってなんですか?」という哲学的な質問までさまざま。aikoは「今日終わる頃ぐらいに、あ、これが『好き』かもってみんなが思ってくれるようなライブにするから!」と宣言してから、「横顔」「サイダー」といったメロウなミディアムチューンを歌唱する。そしてスローナンバー「卒業式」へと続くと、ステージ後方のスクリーンに映し出された桜の木や舞い散る花びらが楽曲の世界観を演出。aikoが歌詞の一言一句にたっぷり気持ちを込めて歌い上げると、観客は彼女に対して惜しみない拍手を送った。

「卒業式」を歌い終えたaikoは「大阪でこの曲を歌うと、学生時代のことを思い出すなあ」と口にしてから、自身の高校時代の淡い思い出を語る。またaikoが主題歌を担当する関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「素敵な選TAXI」が同日スタートしたことも報告した。その後は観客からお題となる6個のキーワードを集めてaikoがその場で作詞・作曲した曲を披露するという、彼女のライブでは恒例となっている即興の弾き語りコーナーに突入。この日もユーモラスな即興ナンバーで観客を爆笑の渦に巻き込むと、続いて「テレビゲーム」「あなたを連れて」をピアノの弾き語りでしっとりと披露した。

aiko。写真は2014年8月27日、東京・NHKホール公演の様子。

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ライブもいよいよ後半戦に突入。「Smooch!」ではブラス隊も加わり、ライブはさらに華やかさを増す。「染まる夢」「舌打ち」ではスクリーンに歌詞の1フレーズが断片的に表示されたり、文字の羅列がスクリーン上を流れるなどの演出も用意。アグレッシブな楽曲が連発されると、これに合わせるかのようにaikoのパフォーマンスもより激しさを増していった。そして「ジェット」の冒頭では客席に向けて金銀のテープを発射。曲中ではバンドメンバー紹介もフィーチャーされ、aikoやバンドメンバー、観客の熱気はエンディングに向けてさらに加速していく。さらにaikoはステージの左右を所狭しと走り回り、前方のファンと笑顔でハイタッチするなどコミュニケーションを取っていた。

ライブ本編もついに次の曲で最後。aikoは改めて「このツアーが終わることがいまだに実感がなくって。時間もあっという間だったし、みんながすごい空気を作ってくれるからいろんな曲を歌うことができました」と、観客に向けて感謝の言葉を寄せる。そして「これからもいろんな曲を届けていけるように一生懸命がんばります。こうやって思わせてくれるような時間を作ってくれて、本当にどうもありがとうございます。この曲でさらに『好き』って気持ちがわかりますように」と告げてから、「君の隣」を歌唱。aikoがファンへの思いをつづったこの曲は会場をより温かな空気で包み込み、ピースフルな雰囲気の中ライブ本編は幕を下ろした。

その後のアンコールはまず「透明ドロップ」からスタート。青い照明がステージを染める中、aikoはまったく疲れを感じさせない艶やかな歌声を会場内に響かせた。そして1曲歌い終えたところで「今までで一番長くて、新しい場所にも行くことができました。大阪にも何度も帰ってくることができて。楽しいことばっかりで、あと、もっとがんばらなきゃいけないとも思ったツアーでした」と、再び今ツアーについて回想。そこからセンチメンタルな「距離」を経て、パワフルな「赤いランプ」へと流れていく。aikoは前方のファンとコミュニケーションを図りながらも、パワフルな歌声を会場全体に届け、客席を笑顔でいっぱいにさせたところでツアー最終公演を無事に終えた。曲を終えるとバンドメンバーと一列になってお辞儀をして、さらにaikoは「終わってしまう実感がほんまにないんですけど、こんな毎日が過ごせて本当によかったです!」と感謝の気持ちが1人ひとりに届くようにと、マイクを通さず声を張って叫ぶ。そして最後に「『好き』って何かわかった? 一緒にいて、あっという間に時間が過ぎる、これが『好き』」と照れ気味に話してから、ステージをあとにした。

aiko。写真は2014年8月27日、東京・NHKホール公演の様子。

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スクリーンにはライブのエンドロールが流れ、最後にaikoからのメッセージが表示されたところで、ツアー千秋楽公演は終わったかに見えた。しかし観客のaikoコールは鳴り止むことなく、さらに大きくなっていく。これに応えるかのように、aikoは三たびステージに登場。「最終日にサラッと帰るわけないやろー!(笑) もっともっと楽しんで帰ってください!」と笑顔で叫ぶと、「キラキラ」を元気いっぱいに歌い上げる。また「be master of life」では今ツアー前半にベーシストとして参加した須藤優も加わり、須長和広とのツインベース編成でステージ上はお祭りのような熱狂ぶりを見せた。これを受けて、観客の盛り上がりも一気に加速。ライブ開始から3時間を超える熱演で、ツアーファイナルを締めくくった。

しかし「また会おうね!」とaikoが手を振ってステージ袖に消えても、観客のaikoコールは鳴りやむことがなく、まさかのトリプルアンコールに突入。「うっとおしいと思わないでください(笑)。たくさんの声をありがとうございます!」とうれしそうに話すと、「こんなにやって大丈夫?」と観客に確認してから正真正銘のラストナンバー「Power of Love」を、須藤を含む今ツアー参加メンバー全員で披露した。歌唱中は疲れ知らずな様子だったaikoも、さすがに曲を歌い終えるとそのままステージに倒れ込む。まさに完全燃焼と呼ぶにふさわしいパフォーマンスを見せた彼女は、最後に満面の笑みでピースをしてステージから捌けていった。

持ち前のサービス精神を存分に発揮し、最高のツアーファイナルを迎えたばかりのaikoだが、10月31日からは今ツアーの追加公演となるアリーナツアー「Love Like Pop vol.17.5」が早くもスタート。追加公演とはいえ、彼女のライブではセットリストをはじめ演出も本公演とは異なるものになることが常なので、こちらの内容も気になるところ。さらにツアー中の11月12日には通算32枚目となるニューシングル「あたしの向こう」もリリースする。彼女の精力的な活動はまだまだ続きそうだ。

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aiko live tour「Love Like Pop vol.17」
2014年10月14日 フェスティバルホール セットリスト

01. 明日の歌
02. 二人
03. beat
04. 愛の病
05. 瞳
06. 横顔
07. サイダー
08. 卒業式
09. テレビゲーム
10. あなたを連れて
11. Smooch!
12. 染まる夢
13. 舌打ち
14. 遊園地
15. 相合傘
16. ジェット
17. 君の隣
<アンコール>
18. 透明ドロップ
19. 距離
20. 赤いランプ
<ダブルアンコール>
21. キラキラ
22. be master of life
<トリプルアンコール>
23. Power of Love

aiko live tour「Love Like Pop vol.17.5」

2014年10月31日(金)神奈川県 横浜アリーナ
2014年11月1日(土)神奈川県 横浜アリーナ
2014年11月6日(木)愛知県 日本ガイシホール
2014年11月7日(金)愛知県 日本ガイシホール
2014年11月12日(水)大阪府 大阪城ホール
2014年11月13日(木)大阪府 大阪城ホール

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