吉田山田、福岡でアート×音楽の異色ライブ

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吉田山田のマンスリー企画「555ツアー」の福岡公演「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」が、9月28日に福岡・イムズホールにて行われた。

吉田山田「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」の様子。

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吉田山田「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」の様子。

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山田義孝(Vo)

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6月からスタートしたこの企画ライブツアーは、吉田山田のメジャーデビュー5周年を記念して5カ月連続で計5会場にて実施されるもの。毎回ステージセットやセットリストなどを変え、趣向を凝らしたライブを展開している本ツアーの福岡公演では、ステージ後方に縦約3m×横約7mという巨大なキャンバスを設置し、開場開始と同時に山田義孝(Vo)がライブペインティングをするところから始まる。客席に入場してきた観客は声援を送ることなく、真剣に絵を描き続ける山田の姿を見守った。

定刻が少し過ぎるとそのまま会場が暗転し、バンドメンバーと吉田結威(G, Vo)がステージに登場。山田がライブペインティングに没頭する中、「カシオペア」から勢いよくライブはスタートした。すると山田も一度絵筆を置いて、絵の具で手や衣装が汚れた姿のままライブに加わる。1曲目から熱い盛り上がりを見せる福岡のファンに向けて、山田は「アートと音楽をテーマに、皆さんを不思議な国へ連れていきたいと思います」と挨拶。続けて吉田も「山ちゃんは計画性がない子なので、ライブが終わってからも居残りで描いてるかもね(笑)」と、ちゃちゃを入れて場を和ませる。

吉田山田

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吉田山田はその後も「涙流星群」「カシスオレンジ」などといった楽曲を連発。観客は彼らのエモーショナルな歌と演奏に対して、手拍子や合唱で応えていく。そして2人も客席の盛り上がりに応えるように、さらに熱のこもったハーモニーを会場中に響かせた。曲中の歌わないパートや曲と曲の合間では、山田が再びキャンバスに戻ってペインティングをして絵を完成に近付けていく。MCでは山田がペインティングに集中していることから、吉田が中心になって観客とコミュニケーションを取っていった。ここでは「ステージから観る客席は、圧巻ですよ。幅広い年代のお客さんが増えていて、中には若い子とそのお母さん、さらにおばあちゃんと3世代で来てる人もいるのでは。皆さん同じ曲で涙を流してくれていて、こちらが感動します。これもすべて『日々』のおかげですね」と、客席に向けて感謝の言葉を送った。

吉田山田

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ライブ中盤には2人だけによるアコースティックコーナーも用意。山田がペインティングを続ける中、まずは吉田が「この会場は2回目なのに、前よりみんなを近くに感じるなあ」と感慨深げに話す。そして「このツアーでは各公演で、できたてホヤホヤの新曲を毎回披露してます」と言って、アコースティックギターとブルースハープを駆使して新曲「泣き笑い」を披露した。続いて山田も加わり「泣いてもいいよ」を歌うと、今度は2人でMCを繰り広げる。山田は次に歌う曲について「この曲を出してから、さまざまな出会いがありました。ライブやイベントにおじいちゃん、おばあちゃんまで来てくれるようになったし。中にはおじいちゃん、おばあちゃんからススメられて吉田山田を知ったっていう若い子もいるし」と、感慨深げに話す。そして吉田が「出会ったことに意味があるってことを、この曲に勉強させてもらってます」と言ってから、現在もロングヒットを記録中の「日々」を感情をたっぷり込めて歌い上げた。

蛍光塗料を使ったライブペインティングの様子。

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会場が拍手に包まれる中、再びバンドメンバーがステージに戻り、ライブは後半戦に。軽やかな曲調の「風と雲と虹」、ダンサブルなビートを持つ「天使と悪魔」で会場の熱気が再び加速すると、暗転したステージ上に突如不思議な明かりが灯される。ここではバンドが奏でるインストゥルメンタルナンバーをバックに、山田がステージ上に用意された小さなキャンバスに蛍光塗料を使ってライブペインティングを実施。最後に“ORION”という文字がキャンバスに刻まれると、そのまま「ORION」に突入。幻想的な空気が作り上げられたステージで、吉田山田はこの2人だけにしか生み出せない唯一無二の世界を観客に提示した。

吉田山田「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」の様子。

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ここからライブはクライマックスに突入。「イッパツ」では山田の「タオル回す準備OK?」の合図にあわせて観客がタオルを頭上で回し、「フリージア」ではその勢いのまま観客が拳を上げていく。そして「ガムシャランナー」で会場がポジティブな空気で包み込まれると、山田はついに巨大なライブペインティングを描き終え、最後に「2014.9.28. 福岡イムズホール」と文字を書き込んだ。こうして無事ライブ中に独特なアート作品を完成させた吉田山田は、会場中に最高の笑顔を振りまいてライブ本編を終えた。

吉田山田「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」の様子。

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アンコールを待つ間、会場には観客の合唱による「約束のマーチ」が鳴り響く。そんなアットホームな雰囲気の中、ステージに再登場した吉田山田の2人は「一番星」を歌唱。そして吉田は「みんな歌ってくれてたね。一番の美声でしたね(笑)」と、観客に感謝の言葉を伝える。続けて山田に向けて「よかったね、完成して」と言うと、山田も「ずっとイメトレしてたんですけど、会場に来て(キャンバスの大きさに)ビックリして(笑)。思ってたのとは違ったけど、完成してよかったです。昨日見た夕陽をイメージして描きました」と正直な気持ちを口にした。その後はバンドメンバーをステージに呼び入れ、「ラブレター」「夏のペダル」とさわやかな楽曲を連発。ラストナンバー「YES」ではステージ上のメンバーと観客とが一丸となって盛り上がり、アートと音楽が融合した福岡公演は最高のエンディングを迎えた。

なお吉田山田は10月18日、東京・Zepp DiverCity TOKYOにて「555ツアー~東京ファイナルファンタジー / 吉田山田全曲ライブ~」を開催する。

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吉田山田「555ツアー~福岡クレイジーワンダーランド~」
2014年9月28日 イムズホール セットリスト

01. カシオペア
02. 涙流星群
03. カシスオレンジ
04. 旅立ちの合図
05. 地図にない路
06. カケラ
07. ハローグッバイ
08. 泣き笑い [新曲]
09. 泣いてもいいよ
10. 日々
11. 風と雲と虹
12. 天使と悪魔
13. ORION
14. イッパツ
15. フリージア
16. ガムシャランナー
<アンコール>
17. 一番星
18. ラブレター
19. 夏のペダル
20. YES

吉田山田「555ツアー~東京ファイナルファンタジー / 吉田山田全曲ライブ~」

2014年10月18日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO

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