神聖かまってちゃんがandymoriに捧げたR&R

神聖かまってちゃんが4都市で行ってきた対バンツアー「ネッとこどっこいしょ☆！対バンツアー」のツアーファイナルが、昨日7月27日に東京・東京キネマ倶楽部で開催された。この日はゲストとしてkz（livetune）、コンテンポラリーな生活の2組が出演。また照明演出を渋家が手がけ、ステージはレーザーなどの派手な照明で彩られた。

一番手のkzは、DJブースに現れるとまず、エリオをかまってちゃん「Os-宇宙人」の4つ打ちリミックスをプレイ。DJブースから飛び出してステージ上で観客を煽り、フロアは一気に温まっていく。中盤からは神聖かまってちゃんのの子（Vo, G）とmono（key）も盛り上げ役として登場。livetune adding Fukase（from SEKAI NO OWARI）「Take Your Way」などの楽曲が流れる中、かまってちゃんの2人が体を揺らしながらサイドキックを入れていく。の子がkzと抱き合ってmonoとともに退場したあと、最後にkzは自身の代表曲「Tell Your World」を披露した。

kzのDJプレイに会場が温まりきったところで、コンテンポラリーな生活によるライブがすぐさまスタート。それまでのきらびやかなハウスとは一転して、骨太なギターサウンドによるアップテンポなロックが繰り広げられる。1曲目「ピンポンダッシュ」で早くもギターの音が出なくなってしまうというトラブルに見舞われるも、彼らはテンションを落とすことなくそのまま完奏。その後もギター用エフェクターは不調のままだったが、ギターソロ用にブーストさせたまま全編爆音で演奏することでライブを乗り切っていた。朝日廉（Vo, G）は最後に「かまってちゃんを初めて知ったのはだいぶ前。ゴミのような生活をしてるときに、パソコンを見てて何気なく知ったんですけど、すごい大きなゲンコツを落とされたような気分がして。この人たちはヒーローなんだって思った。僕の音楽人生に大きな明かりを灯してくれた方々なので、今日は一緒にライブができて光栄です」と話し、沸き起こる拍手の中で「ポップソングと23歳」を歌い上げた。

最後に登場した神聖かまってちゃんは、ライブ初披露となる「源氏蛍」からスタートしたが、まもなくPCが落ちてしまったため演奏が中断。しかしすぐに気持ちを切り替えて、みさこ（Dr）の提案で3曲目に演奏する予定だったという「躁鬱電池メンタル」、5曲目に予定していたという「夜空の虫とどこまでも」を次々に演奏した。の子はここまでの流れを振り返って「このグダグダ感、ひさびさだよね。昔は毎回こんなんだったけど。あの頃の感じがよみがえってきたみたいでオレはうれしいよ」とコメント。PCが復活したということで気を取り直して「源氏蛍」を再開すると、大量のレーザー演出も相まって会場中に神秘的な光景が作られていった。

トラブルによりあらかじめ決めていたセットリストがぐちゃぐちゃになってしまったものの、彼らは勢いを緩めず「ぺんてる」「フロントメモリー」をハイペースでパフォーマンス。それでも1曲目をやり直したタイムロスにより予定していた曲を時間内に消化することができず、ここでちばぎん（B）により「実は今の曲が最後だった」と告げられてしまう。の子は「パソコンを責めるな！ オレが悪かった！」と観客に謝り、monoはせめてもう1曲やろうと「オレらはここで1歩も引かないぜ！」と主張。「一旦、世界観を変えよう」と言ってステージの照明を落とさせ、暗闇に無数のレーザーが飛び交う中、最後に「ロボットノ夜」を披露した。

その後アンコールで再登場した彼らは「Xジャンプのごとく飛んでくれ！」とオーディエンスを煽って「ゆーれいみマン」を演奏。観客のジャンプが会場を揺らす。畳み掛けるように「ねこラジ」が披露されると、メンバーのハイテンションなパフォーマンスでフロアに激しいモッシュが起こった。持ち時間のリミットが近付いていることについて、の子は客席に向けて「あと10曲でも20曲でもやれるけど、そこはお前ら、ワンマンに来いよ。新曲とか30曲ぐらいどんどんやってやるからよ！」「お前らが『かまってちゃんは終わった』って言ってる隙に、オレはどんどん新曲を作ってる。一生ついてこい。安心しろ」と力強く宣言。さらに「お前らとリアルで会うのは好きだよ。でもネットで会うのはもっと好きだよ」と今後もネット配信を続けることをアピールし、「今のMCのあとでこの曲をやるのは気持ち悪いな（笑）」と照れながら、今にも泣き出しそうな表情で「ズッ友」を熱唱した。

そしての子は、8月で解散するandymoriが同時刻に東京・Zepp Tokyoでワンマンライブをしていることについて触れ、「セカオワのFukaseくんたちと一緒に観に行こうかって話してたんだけど、オレは自分のライブがあるから行けなかった」と説明。「（小山田）壮平くんは友だちですよ。これから先も親友と呼べる仲になると思う。だけど関係ねえ。俺たちはどんなバンドでも潰していこう。もちろんセカオワも。友だちだからってそれとこれとは別だ！ てっぺん狙うぞ！ ついてこいよ！」との子が叫ぶと、その言葉に心を打たれた観客から大きな歓声が沸いた。すでに予定時間が過ぎ、スタッフからはライブ終了の指示が出ていたようだが、の子は「壮平、お前に捧ぐわ。壮平のロックンロールは鳴り止まねえから」とつぶやき、最後に「ロックンロールは鳴り止まないっ」を熱唱。間奏部分で彼がオーディエンスに向けて「これは壮平とは関係ねえ！ andymoriとは関係ねえ！ お前らが主役だ！ 歌え！」と煽ると、会場中で大合唱になった。の子はフロアにダイブしたり、転倒してギターアンプに頭を強打して鼻水を流したりしつつ、全身で力いっぱいロックンロールを表現。歌い終えると「お前ら最高のアーティストだよ！」と観客を褒め、燃え尽きたようにステージを後にした。

なお神聖かまってちゃんは9月10日に約2年ぶりのニューアルバム「英雄syndrome」をリリースし、10月からワンマンツアー「妖怪かまってちゃんネットウォッチツアー」を開催。バンドのオフィシャルサイトではこのツアーのチケット先行販売が本日7月28日よりスタートしている。