氣志團 vs. 黒夢、熾烈バトルの末に「Venus」セッション

2014年5月14日 17:05 1133 28 音楽ナタリー編集部

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氣志團主催の対バンライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール第弍章」の第6回公演「黒夢 vs 氣志團～ロックンローラーは電氣羊の黒い夢を見るか？～」が、5月10日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで行われた。

「黒夢 vs 氣志團～ロックンローラーは電氣羊の黒い夢を見るか？～」でセッションする氣志團と黒夢。

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ツインボーカルで「Venus」を歌う綾小路翔と清春。

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氣志團

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黒夢

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暗転と同時にいつものように微熱DANJIによる寸劇が繰り広げられ、KISSES（氣志團ファン）から黒夢ファンに乗り換えたしーちゃんと、年季の入ったKISSESであるキコちゃんの対立が勃発。しーちゃんが「中絶」時代の衣装を着せた清春人形を取り出すと、KISSESと黒夢ファンは大きな歓声をあげた。程よく会場の空気が温まったところで、この日のライブが“開校”。清春（Vo）はマイクスタンドを高く掲げると、氣志團への宣戦布告のようにパンキッシュな「13 new ache」と、ヘビーな「I HATE YOUR POPSTAR LIFE」を間髪入れずに演奏。清春は「今日は20年ぶりくらいの対バンなんですけど、燃え上がりましょう」と述べ、会場に集まったオーディエンスを煽る。

その後は、メランコリックな空気を紡ぐ「A LULL IN THE RAIN」や、人時（B）のメロディアスなベースから始まり、轟音へと変化していく「Reverb」、清春がアコースティックギターをかき鳴らしながら激しく歌い上げた「少年」と続いた。激情がほとばしる清春の圧倒的な歌声と、ストイックな人時のプレイに観客は釘付けに。最後はスピーディな「SICK」を叩き込み、清春は「ありがとう、またね」とライブの終わりを告げる。去り際に清春と人時は、ライブの成功を確かめるように握手を交わした。

氣志團のステージは、早乙女光（Dance & Scream）がトランペットを高らかに奏でる「夜明け」から幕開け。綾小路翔（Dragon Voice）が登場するや否や「Baby Baby Baby」になだれ込み、「黒い太陽」「ゴッド・スピード・ユー！」が連続投下される。綾小路はMCで憧れの黒夢との対バンに興奮を隠しきれない様子で、「KISSESは絶対的なものを観るとすぐ骨抜きにされるの！さっきTwitterで『きょうの目的達成されました』とかあがってて、スタッフも『このあとやりづらいぞー』って言ってた」と熱弁し、「同級生も俺が黒夢と一緒にやるなんて思ってなかったと思うんだ」「すごいことが起きるのよ、人生って！腐らずにいこうぜ！」と叫んだ。

黒夢の鬼気迫るステージに感化されてか、この日の氣志團のパフォーマンスは普段以上に気合いが入ったものに。観客を巻き込み、振り付きで披露された最新曲「喧嘩上等」、赤い照明が舞台を染める中で情熱的にプレイされた「SUPERSTAR」がフロアの熱をぐいぐいと引き上げていく。そして本編の最後はおなじみの「One Night Carnival」。曲の終盤で綾小路は「俺たちにはこの曲しかありません！歌ってもらえなくなったら、この世からいらないんです」「歌ってもらえなかったら人時さんの家のポストにひどく弱った鳩を2羽入れます。でも鳩を助けようと家に入れた瞬間、鳩は息絶えてしまいます。すごく優しい人なので立ち直れないと思います。ベースも弾けなくなるし、バス釣りもできなくなります。7月のツアーもなくなるんです」と黒夢ファンを脅す。そして「簡単な歌ですから！」と丁寧に歌をレクチャーし、最後はメンバーも観客も一緒になってサビを大合唱。一体感が漂う中で本編が終了した。

アンコールでは登場するなり、「みんなのおかげで夢が叶いました！」と満面の笑みで叫んだ綾小路。さらに「こうなったらもう1個、夢叶えるぜ！」と黒夢の2人をステージに呼び込んだ。綾小路は「実在するんだぜ！ CGじゃねーぞ。近いぜ、近いぜ！」と2人を前に大興奮。清春は「僕らも横で観てましたよ。さっきの『ミザリー、キカザリー、イワザリー』は爆笑したよ」と綾小路がMCで放った言葉に対してコメントし、「こちらこそありがとうございます」と氣志團に感謝の思いを伝えた。

アンコールセッションの曲として選ばれたのはThe Shocking Blueの「Venus」。人時と白鳥松竹梅（B）のツインベースが映える、サイケデリックなアレンジを施したサウンドに乗せて、清春と綾小路は肩を組んでツインボーカルを披露したり、視線を交わしながら向かい合って歌ったりと相思相愛ぶりを観客に印象付ける。最後に会場に響いた綾小路の「最高！」というシャウトが、この日の対バンの成功を物語っていた。

なお「極東ロックンロール・ハイスクール第弍章」は、このあとも9月13～15日に千葉・袖ケ浦海浜公園で行われる野外ライブイベント「氣志團万博2014」に向けて都内を中心に展開される。