映画ナタリー Power Push - 「掃苔のすすめ ~お墓を巡る物語~」

掃苔人・夏帆が教える偉人たちの知られざる一面

ドキュメンタリー番組「掃苔のすすめ ~お墓を巡る物語~」が、10月17日から毎週土曜日、WOWOWプライムにて放送される。全3回の放送では、俳優、映画監督、文筆家など各界第一人者の墓を紹介していく。第1回は俳優・三船敏郎と映画監督・黒澤明、第2回は女優・森光子と田中絹代、第3回は作家・開高健と劇作家・寺山修司の墓を訪れ、故人やその家族の秘められた思いを探る。

映画ナタリーでは、番組内で偉人たちの墓を巡る夏帆にロケ地・鎌倉でインタビュー。幼少期から女優として活躍する夏帆に、番組の見どころや先人たちへの思い、女優としての覚悟などを語ってもらった。

取材・文 / 伊東弘剛 撮影 / 中川容邦

偉大な人たちを深く知れるまたとない機会

──まずはオファーを受けたときの感想を教えていただけますか?

率直に面白いなと思いました。お墓を巡ることで故人の人生を紐解いていくということに興味を持ち、すぐに「出演したい」と返事をしました。

──そのときから、どなたのお墓を巡るのかも決まっていたのでしょうか?

はい、決まっていました。一時代を築いた偉大な方々のお墓を訪ねられると聞いて楽しみでしたし、またとない機会だなと。ロケに行く前、自分でもひととなりは調べていったのですが、お墓を訪れたあと、その人のことや、その作品をより深く知りたくなりました。

風情ある昔ながらの町並みに憧れる

──黒澤明監督、田中絹代さん、開高健さんのお墓は鎌倉にありますね。鎌倉というと「海街diary」の撮影で何度も足を運ばれていたかと思うのですが。

そうですね。でも、もともと鎌倉は好きだったので「海街diary」の撮影前からちょこちょこ足を運んでいました。

──そうなんですね。撮影中も散策などされたんでしょうか?

「海街diary」のときは、室内での撮影が多くて、あまり外を出歩く機会がなかったんです。北鎌倉での撮影が多かったので、このエリアの魅力は肌で感じていたんですが……。そんな中この番組の撮影で田中さんや開高さんのお墓のある円覚寺を訪れる機会をいただけて「こんな素敵な場所があったんだ」って、そのよさを改めて実感しました。

──夏帆さんから見て、鎌倉の魅力はどんなところにあると思いますか?

趣のある建物がたくさん建っていて、歴史の香りがして素敵だなと思います。あと海が近いから心地よい風が吹いているのもいいですよね。

──たしかに、空気が違いますよね。

あと山や森などの緑もたくさんあって。海と山が両方楽しめて最高です。訪れるたびに、気持ちのいい場所だなと思います。

──実際に住んでみたいと思いますか。

そうですね。私は東京出身なんですけど、いつか下町にも住んでみたいなと思っています。根津のほうとか、“谷根千”と呼ばれるエリアに憧れますね。大きい商店街があって、風情のある昔ながらの町並みの中で暮らすのもいいなって。

──“谷根千”の中にはお寺がたくさんありますが、プライベートで訪れることはありますか?

プライベートでは、お寺に行くことはほとんどないですね。でもこの番組のお話をいただいてから、少しだけお寺を巡ってみたんです。そうしたらすごく清々しい気持ちになりました。凛とした空気に触れて、気持ちがクリアになっていくような。

WOWOWプライム「掃苔のすすめ ~お墓を巡る物語~」
「掃苔のすすめ ~お墓を巡る物語~」
WOWOWプライム
2015年10月17日(土)スタート
毎週土曜 13:00~ほか ※全3回
出演者:夏帆
ラインナップ
  • 10月17日(土)三船敏郎 / 黒澤明
  • 10月24日(土)森光子 / 田中絹代
  • 10月31日(土)開高健 / 寺山修司

女優の夏帆が案内人を務め、俳優、映画監督、文筆家など各界第一人者の墓を3回にわたって紹介。墓碑銘や墓石の形状、墓地の由来を通して故人やその家族の秘められたエピソードを見つめていく。第1回の放送では俳優・三船敏郎と映画監督・黒澤明の墓を訪問。三船の墓石に刻まれた納骨されていない人物の名前の由来、自身とは縁のない鎌倉の地に墓を建てた黒澤の真意を照らしだす。

夏帆(カホ)

1991年6月30日、東京都生まれ。2003年、スカウトをきっかけにデビュー。2004年、CM「三井のリハウス」11代目リハウスガールに抜擢される。2007年公開の初主演映画「天然コケッコー」で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数の映画賞に輝く。以後、ドラマ「ヒトリシズカ」「みんな!エスパーだよ!」「夢を与える」、映画「箱入り息子の恋」「パズル」「海街diary」などに出演し、キャリアを重ねる。出演作「ピンクとグレー」の公開を2016年に控える。