「オトナ高校」三浦春馬×高橋優インタビュー|リスペクトし合う2人が語る“オトナ”の魅力

今のコミュニケーション能力を持ったまま高校生に戻りたい(高橋)

──「恋空」は高橋さんの記憶にも残っている大切な映画なんですね。

土曜ナイトドラマ「オトナ高校」

高橋 そうです。スクリーンの中に出ている方たちが映画館に来てくれるのは、映画館で働いている人の幸せな瞬間なんですよ。新垣さんが来てくれるって決まったときには、特に男たちがシフトを入れてきたり(笑)。僕は映画の登場人物に感情移入してストレス解消したり、主題歌を好きになって励まされていたんで。映画やドラマの曲を書かせてもらえるときは、ただの曲作りより特別な思いが出ちゃいますね。

──高橋さんの映画好きな気持ちが伝わります。

高橋 例えばそのミュージャンが好きじゃなかったとしても映画がよかったとか春馬くんがカッコよかったとかで、“春馬くんの歌”みたいな気持ちでその曲を聴いたりとかってのがあると思うんですよね。

──高橋さんの高校時代の思い出も教えてください。

高橋 高校生のとき、ものすごいモテなかったんですよ。女性に話しかけられると急に緊張してしゃべれなくなっちゃったりして、コミュニケーション能力がすごく低かったんですよね。今のコミュニケーション能力を持ったまま高校生に戻ったら、もうちょっと女性とのスキンシップがあったんじゃないかな(笑)。

三浦 (笑)

高橋 だからオトナ高校はまったく他人事じゃないんですよ。入ってみたいですもん!

三浦 ははは。最高に楽しいですよ! 全部がぶっ飛んでて!

高橋 入学してすぐにコンドーム配られるんですよ。そんな夢のような、ねえ(笑)。

優くんの語彙の多さにインテリジェンスを感じる(三浦)

──このドラマのタイトルには“オトナ”という言葉が入っていますが、お二人が考える“大人”とはどんな人のことでしょうか。

三浦 前からずーっと考えてるんですけどなかなか答えが出ない問題ですよね。

高橋優

高橋 僕は「こどものうた」って曲を作ったり、“大人はバカだから”(「駱駝」)って歌ったりもしてるんですけど、“大人”って言葉はニュアンス次第で皮肉にも聞こえるんですよ。

──確かに。高橋さんの楽曲には“大人”という言葉がよく登場します。

高橋 いろんな大人がいると思ってますけど、僕がなりたい大人はしっかり遊べてる大人。例えばカメラマンさんで、少年がおもちゃを手にしたように写真を撮る人を見ると「この人はいいふうに大人になったんだな」って。目の中はキラキラした6歳児のままの大人になりたいなってずっと思ってます。

三浦 いいですね。“仕事で遊ぶ”みたいな思いとか向上心みたいなものはずっと持ち合わせていたいですね。確かにそれが目指す大人像かもしれない。

高橋 いいでしょう。そういう人に会うと元気がもらえるじゃん。大人になることイコール老いること、慣れることだけじゃないし、あきらめ上手な大人には絶対なりたくないですね。すごい大きな夢を語っている少年が1人いるとしたら、「マジで!?」「どうやってやるの?」「やってみなよ!」ってキラキラした目で大人の世界に迎えたい。

──お二人がお互いに対して大人の魅力を感じている部分を教えてください。

三浦春馬

三浦 こないだ優くんが主催した秋田のフェス(9月2日、3日に高橋の地元である秋田・由利本荘市の鳥海高原花立牧場にて開催された野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES 2017」)に大勢で押しかけたんです。いろんなアーティストさんを呼んで秋田を元気にするぞってフェスなんですけど、優くんが本当に楽しんでいたし、芸人さんともコラボして果敢に攻めていく感じだったりとか秋田を元気にしたいという思いが強くてカッコよく見えた。お客さんに贈る言葉もパワフルで、優くんの語彙の多さもインテリジェンスを感じて大人だなあって思う1つの要素ですね。

高橋 照れるー! 秋田県の由利本荘市っていう空港から片道1時間半もかかるようなところによく来てくれたなってびっくりしたもんね。僕が春馬くんに対して大人だなと思うのは、お芝居をされているところですね。小さいときからいろんな役をこなしているのは並大抵のことじゃないと思うんですよ。三浦春馬という名前が抜きん出て世に知られている大きな理由は、彼がほかの人たちよりも大人のことも、逆に子供のことも人一倍考えていて、それを演じるということに昇華できているからだと思うんですよね。カッコいい大人だなと思います。

内側の殻を破るのは自分との戦い(三浦)

──“破れない殻”をテーマとしているドラマですが、“自分の殻”を破れていない人にメッセージをお願いします。

高橋 高橋的に言わせてもらうと殻は内側からしか破れません。誰かに破ってもらうことは僕はできないと思います。破ってもらうためのきっかけ作りしかできないんですよ。この記事や春馬くんの演技や僕の楽曲のような1つひとつのきっかけは、きっとあなたの周りにたくさんあるから、そのきっかけを好きに利用して内側からぶち破ってほしいなと思います。

──なるほど。「オトナ高校」が殻を破るきっかけになる方もいらっしゃるでしょうね。

三浦 そういう作品になってると思いますよ。優くんの曲の歌詞にもいろんな感情が渦巻いてるけど、内側の殻を破るのは自分との戦いだと思う。他人の言葉を信じることはすごく大事だし、自分より経験が多い人の言葉を信じることも大切。自分を違う目線から俯瞰する余裕や自分を信じてあげる努力を構築していけたらいいんじゃないかなって思います。

──素敵なメッセージをありがとうございます。お二人の言葉やこのドラマで励まされる方がたくさんいらっしゃると思います。

三浦高橋 よっしゃあ! がんばれー! 「オトナ高校」観てがんばれー!

左から三浦春馬、高橋優。
土曜ナイトドラマ「オトナ高校」
土曜ナイトドラマ「オトナ高校」
あらすじ

性経験のない30歳以上の男女が入学させられる“オトナ高校”。東京大学を卒業したトップバンクの行員というエリート・荒川英人は、ある日突然オトナ高校への入学を義務付けられる。そのプライドの高さとコミュニケーション能力の低さから落ちこぼれとみなされ、“チェリート”とあだ名を付けられた英人は、卒業条件である“童貞卒業”を目指してクラスメイトたちとともに恋愛を学んでいく。

スタッフ

演出:瑠東東一郎、山本大輔ほか
脚本:橋本裕志

キャスト

荒川英人:三浦春馬
権田勘助:高橋克実
山田翔馬(ペガサス):竜星涼
姫谷さくら:松井愛莉
園部真希:黒木メイサ

放送情報

地上波放送

テレビ朝日系
毎週土曜 23:05~

配信情報

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三浦春馬(ミウラハルマ)
1990年4月5日、茨城県生まれ。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。2006年「キャッチ ア ウェーブ」で映画初主演、2008年「ブラッディ・マンデイ」でドラマ初主演を果たす。2007年「恋空」で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、2008年公開の「奈緒子」で第63回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。2013年公開の「永遠の0」では第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いている。2017年、舞台「キンキーブーツ」で、第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞した。
高橋優(タカハシユウ)
1983年生まれ、秋田県出身のシンガーソングライター。札幌の大学進学と同時に路上で弾き語りを始める。2008年に活動拠点を東京に移す。2010年7月にシングル「素晴らしき日常」でメジャーデビュー。2015年7月にはメジャーデビュー5周年を記念した初のベストアルバム「高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』」をリリースし、秋田県から「秋田音楽大使」に任命される。2017年は「映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」の主題歌「ロードムービー」をリリース。そして、「オトナ高校」の主題歌を含むシングル「ルポルタージュ」を11月22日にリリースする。12月からは全37公演実施全国LIVE TOUR 2017-2018「ROAD MOVIE」を開催予定。