「君の膵臓をたべたい」浜辺美波×北村匠海×北川景子×小栗旬×月川翔インタビュー|5人全員が号泣!感涙必至の名シーンと2人1役の舞台裏

「もう1回、あれぐらい笑ってくれないかな」と思う(小栗)

──では次に、小栗さんと北川さんから、本作で主演を務めた浜辺さんと北村さんについてコメントをいただけますか。

「君の膵臓をたべたい」より。

小栗 【僕】って受けの芝居が多くて、すごく難しい役だと思うんです。匠海くんは中学時代の自分が【僕】に似ていたと言うけど、本当に自然に演じていて。やり方によってはすごく嘘くさく見えてしまうキャラクターなのに、彼の中から自然に出てくるものがカメラに映っている。逆に言うと、匠海くんはこれからすごく元気な役をやるのが大変になるかもしれない。でも、ドラマ「仰げば尊し」ではヤンキー役をやっているし。素晴らしい俳優さんだと思いました。

「君の膵臓をたべたい」より。

北川 美波ちゃんもすごかったです。桜良っていう役はともするとあざとくなってしまったり、女の子に嫌われちゃいそうなキャラクターなんです。でも媚びているようにも見えず、説明的にもならず、女性から観てもかわいいと思えるお芝居をしているので。本当に難しかったと思う。

小栗 本当にね。間違いなく狙ってやっているんですけど、映画の冒頭を観ると「なんでこの子はこんなに大きく笑うんだろう?」という気持ちになる。最初は違和感があるんだけど、桜良がそうやって笑っていた理由がわかると、「もう1回、あれぐらい笑ってくれないかな」って思っちゃうんですよ! ……みんなで褒め合ってると恥ずかしいね(笑)。

一同 (笑)

「やりたいです!」って言うのはいいことだよ(北川)

──本作では、学生時代の【僕】と12年後の【僕】の姿が描かれました。 小栗さん、北川さん、月川監督がご自身の12年前を振り返って、浜辺さんと北村さんに「これはやっておいたほうがいい!」というアドバイスはありますか。

小栗 たぶん2人はきちんとやっていると思いますけど、僕は本当に、あの頃もう少し勉強しておけばよかったと思ってます。

──それは学業としての勉強でしょうか?

小栗 そうです。学生の頃って、とにかく知識を吸収できるじゃないですか。今になって一生懸命知識を入れようとしても、あの頃のように柔軟にはなれないですし。僕はなんであの頃、ママチャリにしか乗ってなかったんだろう?って(笑)。

一同 (笑)

小栗旬

小栗 高校生の頃はどこへ行くにもママチャリ。あとスケボーしかやっていなくて、ろくに勉強もしてなかったのが悲しくなりますね。

北川 美波ちゃんも北村さんもちゃんと自分の言葉で作品を説明できて、この歳で自分の考えをきちんと持っているから、アドバイスもいらないと思うんです。そのまま立派な大人になれるはずです。私の若い頃は、とにかくとがっていたので(笑)。

小栗 その頃の北川さんに会ってみたかった!

北川 その頃に会っていたら、小栗さんは口を聞いてくれないかもしれない(笑)。17歳でお仕事を始めて、モデルの世界で勝ち残るにはとがらないとしょうがない環境だったんです。19歳になったら、次は女優として認めてもらいたい、モデル出身と言われたくないってまたとがりまくって。今思うと、そんなにとがらずにもっとうまくやれなかったのかなって反省してます。当時はオーディションに行って、本当はすごく受かりたい!と思っていても、それを出したらカッコ悪いからすまして自己紹介しちゃうんです。「この役に受かったらどうしますか?」って聞かれて、「受かったら、がんばります」みたいな(笑)。

月川 そういう子、いるなあ!

小栗 わかるー! 僕もそんな感じ。「俺、そんなに前のめりじゃないです」って雰囲気に見せようとしてた。ときどき「僕は前の現場でこういうことをやってきたので、この作品ではこんなことに生かせると思います!!」みたくガツガツしてる人を見ると「もうこの人がやったらいいじゃん」ってヘソ曲げて(笑)。

北川 おんなじですね(笑)。なんでもっと素直に「この役がやりたいんです」「この台本に感動しました!」って言える自分じゃなかったのかなって、今でも後悔しているんです。だから2人には、やりたいことがあったときに「やりたいんです!」って言うのはいいことだよって伝えたいです。

浜辺北村 ありがとうございます。

小栗 あとさっき2人と話していて思ったのは、今、失敗しちゃいけない社会になってるなって。僕らの仕事で言えば、NGを出す人イコール駄目みたいな空気になってる。不器用な人ってNGも出すけど、その人に時間を与えてあげて、失敗を許してあげれば、もっとよくなる瞬間がいっぱいあると思うんです。でも今はいろいろな状況を考えて、結果的にそういう人が現場から外されちゃう。そんなのよくないと思うし、2人にはどんどん失敗できる環境で学んでいってほしい。

北村 確かに、ちょっと失敗は怖いなと思うときがあります……。

小栗 そういう言葉が出るのは、大人たちに普段から「失敗するな」って言われてるせいだと思う。そういう人に対しては、足とかをこっそり踏んでいったらいい(笑)。僕らの頃は「そんな相手、ぶっ飛ばせばいいんだよ!」って言ってもらえたけど、今はそれも駄目そうだから……靴の踵に画鋲入れたりするのはどう? 画鋲はちょっと陰湿すぎるか(笑)。

北村 足をこっそり踏むくらいにしておきます(笑)。

左から北川景子、浜辺美波。

北川 美波ちゃんは、カーッとすることないの?

浜辺 私は、マネージャーさんに愚痴を聞いてもらいます。

月川 ぶつける場所があるなら、よかったよかった(笑)。失敗ができない世の中っていう話は、本当にその通りだと思う。12年前の僕は大学院に入った頃。先生の黒沢清さんに「この2年間はとにかく失敗しなさい。社会に出ると失敗は本当に許されなくなるから」と言われました。とんでもなくつまらない作品を作ったりしていたんだけど、あの時期があってよかったなって思えるんです。だから失敗を恐れずに進んでもらいたい。

浜辺北村 はい!

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「君の膵臓をたべたい」
2017年7月28日(金)より全国ロードショー
映画「君の膵臓をたべたい」オフィシャルサイト
ストーリー

高校時代のある日、【僕】が見つけた「共病文庫」。それは、密かに膵臓の病を患うクラスメイト・山内桜良の闘病日記だった。秘密を知ってしまった【僕】は桜良と一緒に過ごすようになるが、まばゆいまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて終わりを告げる。───それから12年。母校の教師となった【僕】、そして桜良の親友・恭子は、桜良と過ごした日々を思い出していた。2人はあるきっかけで、桜良が伝えたかった本当の思いを知ることになり……。

スタッフ / キャスト

監督:月川翔
原作:住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉社刊)
脚本:吉田智子
主題歌:Mr.Children「himawari」(TOY'S FACTORY)
キャスト:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔、北川景子、小栗旬

浜辺美波(ハマベミナミ)
2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションニュージェネレーション賞を受賞。同年、主演作「浜辺美波 ~アリと恋文~」で映画デビューする。実写ドラマ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」での本間芽衣子役や、NHK連続テレビ小説「まれ」への出演で話題になる。その後「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」「咲-Saki-」などの映画に参加した。2017年9月30日公開の実写版「亜人」にも出演している。
北村匠海(キタムラタクミ)
1997年11月3日生まれ、東京都出身。2008年、「DIVE!!」でスクリーンデビュー。主な出演作に「鈴木先生」「陽だまりの彼女」などがあり、2016年には「信長協奏曲」「セーラー服と機関銃 -卒業-」「あやしい彼女」「ディストラクション・ベイビーズ」、そしてドラマ「仰げば尊し」「ゆとりですがなにか」といった話題作へ立て続けに出演した。「君の膵臓をたべたい」で映画初主演。2017年内に出演作「恋と嘘」「勝手にふるえてろ」の公開も控えている。5人組ダンスロックバンドDISH//のメインボーカル兼ギターとしても活動中。
北川景子(キタガワケイコ)
1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年に雑誌SEVENTEEN専属モデルとして芸能界入り。同年ドラマで女優デビューを果たし、2006年に「間宮兄弟」で映画デビュー後はハリウッド映画「ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT」や「Dear Friends」「パラダイス・キス」「ジャッジ!」「抱きしめたい」「の・ようなもの のようなもの」などに出演。ドラマでは「モップガール」に主演したほか、「太陽と海の教室」「謎解きはディナーのあとで」「悪夢ちゃん」「HERO」「探偵の探偵」などに参加した。
小栗旬(オグリシュン)
1982年12月26日生まれ、東京都出身。1998年、ドラマ「GTO」で初めてのレギュラー出演。2007年に主演した三池崇史監督作「クローズZERO」での演技が高く評価され、エランドール賞新人賞、第17回日本映画批評家大賞主演男優賞などを獲得。2010年には「シュアリー・サムデイ」で劇場映画監督デビューも果たした。近年の出演作に「キツツキと雨」「宇宙兄弟」「ルパン三世」「信長協奏曲」「ミュージアム」など。舞台でも活躍し、蜷川幸雄をはじめ多くの演出家の作品に参加している。2017年には出演作「追憶」「銀魂」が公開されたほか、福田雄一演出の舞台「ヤングフランケンシュタイン」でミュージカルに初挑戦する。
月川翔(ツキカワショウ)
1982年8月5日生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科修了。在学中は、教授である黒沢清や北野武のもとで「心」など4作品を制作する。ウォン・カーウァイ、ソフィア・コッポラらが審査員を務めた「LOUIS VUITTON Journeys Awards 2009」にて審査員グランプリに輝き、「グッドカミング~トオルとネコ、たまに猫~」で「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2012」のミュージックShort部門シネマティックアワード・優秀賞を受賞した。監督作に「黒崎くんの言いなりになんてならない」「君と100回目の恋」、ドラマ「ダメな私に恋してください」などがある。
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