映画ナタリー Power Push - 「アイアムアヒーロー」

有村架純が証言、知られざる“ZQN”ワールドの裏側

大泉さんは楽しませてくれて、長澤さんは愛情深い

──英雄役の大泉洋さんと共演してみてどうでしたか? ハードな撮影をともに駆け抜けたということもあって、信頼関係が築けたのではないでしょうか。

「アイアムアヒーロー」より。

大泉さんとは共演シーンが多かったので、常に一緒にいました。おしゃべり好きな方でバラエティ番組で観る感じとまったく変わりがなくって、場を楽しませてくれました。大泉さんはごはんを食べることが大好きな方なので、一緒に食事に行ったり、おいしいお店を教えてもらったりもしました。

──長澤まさみさんとの共演はいかがでした? 一緒のシーンは少ないですが、印象的なエピソードがありましたら教えてください。

有村架純

泊まり込みで韓国ロケに行ったので、長澤さんともごはんを何回か食べたり、買い物に行ったりしました。長澤さんはすごくフランクな方で。大泉さんとよく口喧嘩していたのを思い出します(笑)。2人で楽しそうにやっているのを見て笑っていましたね。あと、とっても愛情深い方なんですよ。私はそこに甘える部分があったというか、長澤さんがいてくれたから安心して撮影に臨めました。

──映画の中には、比呂美が英雄に「英雄くんといたら大丈夫な気がする」と言う印象的なシーンがありますよね。あの場面はどのような気持ちで演じられたんでしょうか。

その場面の少し前に英雄からもらった言葉が、比呂美にとって胸に刺さるものがあって「もうちょっと楽しく前向きに生きてみたらいいことがあるかもしれないな」と思えたような気がして。あと、英雄もこれまでの人生は一筋縄ではいかないものだったと思うんです。比呂美は、英雄に自分と同じような匂いを嗅ぎ取って「この人とならわかり合えるかもしれない」と、頼もしさを感じたのかもしれないです。

──アクションシーンの多くは韓国で撮影したそうですね。そのときのお話を聞かせていただけますか。

「アイアムアヒーロー」より。

韓国では、たくさんのZQNがいるアウトレットモールのシーンを中心に撮影しました。特殊効果やアクションに使う道具などは日本では見たことのないようなものが出てきたりして。純粋に「わあ、韓国の技術はすごいな!」って思いましたね。

──日本の映画ではあまり見ないようなダイナミックなアクションシーンばかりでした。「レッドクリフ」「アベンジャーズ」に携わった会社(デモリッション)が特殊効果を担当したそうですが。

「アイアムアヒーロー」より。

カークラッシュのシーンは、こんなにぐるぐるとひっくり返ったら普通は絶対死んじゃう!って思うけど、無傷で出てくるっていうのがちょっとおかしかったです。撮影は台の上のタクシーが立体的に動く機械を使っていたんですけど、実際に遊園地のアトラクションに乗っているみたいにぐんぐん動いて。風も吹いているしいろんなものが飛んでくるし、本物ではないですけどガラスの破片も飛んでくるし、みたいな。思わず笑ってしまいました。「私、今何やってるんだろう……」って(笑)。

──完成報告会見でも「頭が取れちゃうかと思った!」と話していましたね。

そうなんですよ! もう、ジェットコースターに乗っているんじゃないかと思うくらい激しくて。でも撮影はすごく楽しかったです(笑)。

武器はピコピコハンマー!

──もし有村さんがこの作品のようなパニック状態の世界に放り込まれたらどうしますか。

「アイアムアヒーロー」より。

逃げます! 戦えるような武器がないからとりあえず隠れて、あきらめはせずにギリギリまでがんばります。

──武器を1つだけ携帯できるとしたら何を選びますか?

やっぱりピコピコハンマーですね! あれでちょっとがんばって戦ってみようかなって思います。英雄さんみたいに銃を扱うのはきっと無理なので……。

──ZQN化した人々は、感染前の人格や記憶が少し残っているところが面白いですよね。有村さんが感染してしまったとしたら、どんなZQNになると思いますか?

きっと、このお仕事をしているという記憶が強いと思うんです。だから「この作品に出てるんですよー」ってみんなに一生懸命教えてるんじゃないかな(笑)。「観てくださいねー」って。

有村架純

──最後に、この作品の見どころを聞かせてください。

この映画はみんなで楽しむのが一番なので、友達同士で観にきてほしいなって思います。遊園地のアトラクションに乗りに行くような気持ちで、好奇心を持って劇場に来ていただけたら。観終わったあとは爽快な気持ちになると思います!

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有村架純

──有村さんは電子書籍を利用されたことはありますか?

あります! マンガ原作の作品に出演させていただくときに、「ちょっと急いで読みたいな」って買ったり。あとは待ち時間とか、暇なときに読んだりもします。ジャンルは青春ものや少女マンガが好きですね。

──けっこう利用されているんですね。ブックパスのラインナップの中で気になる作品はありますか?

今見た中だと、読んだことのないものばかりですね……。どれにしようかな。吉瀬美智子さんのデジタルブック写真集(「吉瀬美智子 silent beauty【image.tvデジタル写真集】」)ですかね(笑)。

──ちなみに「アイアムアヒーロー」の原作マンガもアラカルト配信されています。有村さんから見て、原作の魅力はどんなところにあるのでしょうか。

原作コミック「アイアムアヒーロー」2巻の表紙。©花沢健吾/小学館

シンプルで、あまりごちゃごちゃしていないところですね。初めて読んだときは刺激が強い絵柄でびっくりしました。でも読み進めていくと、比呂美っていう女の子にもちゃんと人生があって、家でも学校でも居場所がなくて孤立しているということが描かれているのがわかって。「生きてても死んでてもどっちでもいいや」って生きている感覚がないまま毎日を過ごしてきた人なんだなと思いました。原作はセリフがない場面が多いので、いろいろと想像ができる感じが好きですね。

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映画「アイアムアヒーロー」は、4月23日ロードショー。
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「アイアムアヒーロー」2016年4月23日より全国公開

「アイアムアヒーロー」

鈴木英雄は35歳のマンガ家アシスタント。うだつの上がらない日々を過ごしていた彼がある日徹夜仕事を終えてアパートに戻ると、謎のウイルスに感染して異形の姿となった恋人てっこの姿が。彼女と同様に突然変異した“ZQN”があふれ、感染パニックに陥った街で、英雄は女子高生の比呂美や元看護師の藪と出会う。そして増殖していくZQNに立ち向かうべく、趣味の猟銃を手にした英雄。果たして彼は本物の英雄(ヒーロー)となり、比呂美と藪を守り抜くことができるのか……。

※映倫区分:R15+

スタッフ

原作:花沢健吾(週刊ビッグコミックスピリッツにて連載中)
監督:佐藤信介
脚本:野木亜紀子
音楽:Nima Fakhrara

キャスト

鈴木英雄:大泉洋
早狩比呂美:有村架純
藪:長澤まさみ
伊浦:吉沢悠
サンゴ:岡田義徳
てっこ:片瀬那奈
中田コロリ:片桐仁
松尾:マキタスポーツ
三谷:塚地武雅
アベサン:徳井優

有村架純(アリムラカスミ)

1993年2月13日生まれ。兵庫県出身。主な作品に「ストロボ・エッジ」「映画 ビリギャル」「僕だけがいない街」がある。また舞台「ジャンヌ・ダルク」、長編アニメーション「思い出のマーニー」への出演など、ジャンルを問わず精力的に活動している。公開待機作は「夏美のホタル」「何者」。

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2016年4月22日更新