映画ナタリー Power Push - 「相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」

今からでも楽しめる「相棒」入門、ビギナーもフリークも大満足な新作の魅力とは

実は「相棒」ファミリー?赤ペン瀧川の映画添削ミニ動画も!

水谷豊と反町隆史が出演する「相棒」シリーズの最新映画「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」が、2月11日に封切られる。ここでは、映画コメンテーターの赤ペン瀧川が、本作の魅力をミニ動画で紹介。またインタビューでは、俳優として「相棒」season13にゲスト出演した瀧川に、水谷との現場でのエピソードや新作映画の感想を語ってもらった。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影・動画編集 / 上山陽介

実は「相棒」ファミリー?赤ペン瀧川の映画添削ミニ動画

赤ペン瀧川インタビュー

出演オファーが来たときは、何か間違えてるんじゃないかと

──今回の動画では、映画コメンテーターの赤ペン瀧川さんとして「相棒-劇場版IV-」の魅力を紹介していただきました。瀧川さんは、俳優・瀧川英次の名でドラマ「相棒」season13の第19話「ダークナイト」にゲスト出演されていますよね。

赤ペン瀧川

そうです、出させていただきましたね。season13の最終回です。2015年放送だからもう2年前ですか……。

──3代目相棒・甲斐享が“ダークナイト”であったと暴かれ、逮捕されてしまうという、「相棒」史上一番と言ってもいいくらい衝撃的な回でした。瀧川さんは、ダークナイトの模倣犯・種村和真というすごく大事な役どころを演じられましたが……。

とても大事な役だし、お前が話をややこしくしたんだろ!っていうキャラですね(笑)。

──当時、オファーを受けての心境はいかがでした?

オファーが来たときは、誰かが何かを間違えてるんじゃないか、と(笑)。漢字は違うんですけど、イケメン俳優の滝川英治さんっていう方がいらっしゃるんですよ。リポビタンDのCMや、ミュージカル「テニスの王子様」に出演されていて。だから最初は、そっちの滝川英治さんじゃねえの?と思ったんです(笑)。マネージャーにも「マジで勘違いの可能性あるけど、本当ですか?」って聞いちゃいましたね。そしたら本当だったので、とにかくびっくりしたし、尋常じゃないプレッシャーがありました。もちろん「相棒」のファンだったし、過去のシリーズも観て「次は誰が相棒になるんだろう?」って予想して楽しんでたくらいですし。そんなドラマに俺が出させてもらえるなんてすごくうれしかったですね。

「おい、右京さんが俺ん家に来たぞ!!」って

──「相棒」の現場はいかがでしたか?

「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」より。

まずクランクインした日に、水谷(豊)さんがみんなの前で俺と握手をしてくれて。俺の舞台を観に来てくださったそうで、「よろしくね。あなたの舞台、観たことがあります。楽しかったです」ってことをおっしゃってくれたんです。まず最初に皆さんの前で握手していただけたので……急に居心地がよくなりましたね(笑)。

──アウェイだった現場がホームに(笑)。

赤ペン瀧川

ははは。きっと、現場にはどこか「あいつ誰だ? 知らねえぞ」って空気があったと思うんですよ。でも「握手してるし話してるし、水谷さんの知ってる人なんだ!」って思ってもらえたはずで、自分の中では急に市民権を得た感覚でしたね(笑)。でも、よくよく見たら、水谷さんは全員に声をかけて「今日もよろしくね」って握手してるんですよ。俺だけじゃなかったんだ!って(笑)。水谷さんは現場での過ごし方からもうすでにカッコよくて素敵だなあと思いましたね。

──さすがですね。一緒にお芝居をされて、いかがでしたか?

僕のクランクインの日は、右京さんとカイト君(甲斐享)が、種村の部屋を訪ねてくるシーンを撮ったんです。部屋の中にいたらノックが聞こえて、ガチャってドアを開けたら、水谷さんと成宮(寛貴)さんが立っていらして。一応役としては「誰だ?」って思わなきゃいけないところなんですけど、心の中では「おい、右京さんが俺ん家に来たぞ!!」ってなっちゃって(笑)。

──「相棒」ファンだったらそうなりますよね。それに自分が犯人だとして、右京さんが家に訪ねてきたら「終わった」と確信しそうです。

「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」より。

「右京さん来ちゃったか、こりゃバレるな」って……役者としてはよくないんですけどね(笑)。でも、俺と同じようにゲスト出演した人は、絶対みんなそう思ってると思います! 「俺、右京さんの取り調べ受けてるよ!」みたいな。

──興奮する気持ちを押し殺して演技することになる、と(笑)。

そうそう。撮影もすごく面白かったですよ。和泉(聖治)監督はものすごく見た目の怖い方なんですけど……(笑)。でも「こうしたいんだけど、どう思う?」「君はどうしたい?」って聞いてくださって。ものすごく丁寧というか、こんなペーペーな役者ともたくさんディスカッションしてくださるんだ!って感動しました。とてもやりやすく、そして俳優の仕事に集中できました。

Contents Index
「相棒」シリーズとは / 杉下右京と歴代の相棒たち
「相棒-劇場版IV-」キーワード / 登場キャラクター / フォトギャラリー
赤ペン瀧川の映画添削ミニ動画 / インタビュー

「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」2017年2月11日全国公開

「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」

かつてイギリスで日本領事館関係者の集団毒殺事件が起こり、唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織“バーズ”によって誘拐された。しかし、身代金を要求された当時の駐英大使と日本政府は、事実を闇に葬ってしまう。それから7年。バーズのリーダー“レイブン”を追って、国連犯罪情報事務局元理事のマーク・リュウが来日し、特命係がその案内役を任される。その矢先、7年前に“国に捨てられた少女”の現在の姿と、身代金9億円を要求するメッセージが、犯行グループによって公開された。さらに犯人たちが、50万人を死に至らしめる毒物を所持していると判明し……。

スタッフ / キャスト

監督:橋本一
脚本:太田愛
出演:水谷豊、反町隆史、仲間由紀恵、及川光博、石坂浩二、鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児、神保悟志、小野了、片桐竜次、北村一輝、山口まゆ、鹿賀丈史ほか

赤ペン瀧川(アカペンタキガワ)

1977年12月27日生まれ、神奈川県出身。映画コメンテーターとして、テレビ、ライブ、コラムなど多方面で活躍中。スライドとトークを武器に、作品に鋭いツッコミを入れる“映画添削”で知られる。また俳優・瀧川英次として、「アウトレイジ」「スイートリトルライズ」などに出演。「相棒」season13や「下町ロケット」「せいせいするほど、愛してる」といったドラマにも参加した。また自身が主宰する演劇ユニット「七里ガ浜オールスターズ」では、演出も担当している。


2017年2月8日更新