「おっさんずラブ」は終わらない!眞島秀和インタビュー|2018年を代表する話題作の“愛される理由”は? この武川に注目!ドラマ全話プレイバック付き

この武川に注目!「おっさんずラブ」全話プレイバック

右綴じ、左綴じに厳しい男

──ここからはビデオパスやNetflixで作品を観直す方に向けて、各話の“武川的見どころ”を振り返りたいと思います。1話ではまだ“ちょっと厳しめの上司”といった感じのさりげない存在ですよね。

そうですね。ただ元彼設定は聞いていたので、牧が営業所にやって来るシーンから意味ありげな目では見てました。なんでここに異動してきたんだ……みたいな。

──ちなみに武川の几帳面な性格は、眞島さんご本人の性格から取り入れられたそうで。

大人数で外食すると空いたお皿がどんどん出るじゃないですか。あれがずっとテーブルにあるのが嫌なんですよ。それでいつも僕が片付けているのを見て、スタッフがキャラ設定に取り入れたみたいです。

──几帳面ですね! 今回改めて観直していたら、武川の部下への注意が「資料の数字が全角と半角になってる」など、細かすぎて笑ってしまいました。牧にすごい剣幕で何を怒っているのかと思ったら「右綴じ、左綴じを間違えてる!」とか(笑)。

眞島秀和

はっはっは! あれは脚本の徳尾(浩司)さんのアイデアですから。面白いですよね。縦書きは右綴じで、横書きは左綴じってルールは、やっぱり社会人にとっては常識なんですか?

──常識かもしれないですけど、あんなに怒る人はいないと思います(笑)。

あれはやっぱり、単なるヤキモチですよね。怒るところがないから、もう無理やり探してるっていう(笑)。

──視聴者的に「おや?」と思ったのは、第2話で春田からの恋愛相談が“男同士”の話だとわかったときに、武川がくいっとメガネを上げるシーンです。

「本気だな」「ノリじゃないな」って真顔で春田に返していた場面。それは観ているほうも「おや?」ってなりますよね。そういう細かい部分ですね、キャラクターを演じる中できちんとやらなきゃいけないのは。

絶対無理してる「楽しそうだなあー!」

──第3話で春田と牧がルームシェアしていることを知った武川が言う「楽しそうだなあー! あっはっはっはっは!」というセリフには、もう無理しすぎ!という気持ちになりました。

(笑)。あれはどう言おうかなってすごく悩んだんです。脚本では「……楽しそうだな」って抑えめに書かれているけど、暗く言うのも変だしな……と。たぶん武川も牧と一緒に住んでいたけど、すれ違いから同棲を解消していた。なのに「あれ? どういうこと!?」っていう動揺ですよね。だから、すごく無理してる感を出したかった。

──その少しあとの武川が春田をにらむシーンでは、脚本に「猟奇的な目で見つめる武川」というト書きがあって。メイキング映像で没カットを観たんですが、眞島さん、すごい顔をされてました(笑)。

「おっさんずラブ」より、鋭い目つきを見せる武川政宗。ン

僕のイメージでは、もうちょっと目を開けてるつもりだったんですけど、自分の予想以上に目が細かった(笑)。目の幅の間隔を把握できてなかった結果、あんなざまになってしまって、使ってもらえないっていう……。

──あの表情を見て「チベットスナギツネに似てると言われる」とおっしゃっていたのを思い出しました。

そうそう、チベットスナギツネ。とあるドラマのスタッフが視聴者のツイートか何かを見つけてきて「似てるって言われてますよ」と教えてくれたんですけど、確かに……って(笑)。それから勝手に愛着が湧いてるんです。ネットで調べたんですけど、ああ見えて普通のキツネの集団にこっそり入っていったりするらしいんですよ。あんなに冷たい顔をしているのに、紛れ込めてると思ってるみたいです。

──愛らしいですね(笑)。第4話では、武川と牧がテーブルの下でこっそり手をつないでいるのを春田が目撃し、激しく動揺します。武川が何食わぬ顔で部下のマロ(栗林歌麻呂)に説教する姿が印象的でした。金子大地さん演じるマロもいいキャラクターでしたよね。

そうですね。春田とマロの2人のシーンは面白ポイントが多かったので、大地がどんなふうに演じるのか気になって、撮影が終わっても遣都と残ってよく見学していたんです。ずーっと見てるから、すげえやりにくいだろうなとは思いながら(笑)。大地は「おっさんずラブ」のグループLINEでも口数が多いタイプではないんですけど、絶妙なタイミングでぼそっと面白いことを言う不思議なやつなんです。

足ドン、サラダマウンティング、土下座

──そして武川的見どころ満載の第5話ですが、まずは春田を「メシ行こうか」と誘うときの足ドン。田中さんの胸まで届くほどの高さでした!

そのときの武川の気持ちを表現するには中途半端な高さじゃ駄目だなと思って。衣装も逆算して、つながりがおかしくならないように前もってスタッフに「足ドンのシーンはこのスーツでいきたいから」ってお願いして、ストレッチ素材のスーツにしてもらったんです。

──すごくきれいに足が上がってましたもんね。一発OKだったんですか?

確かそうでした。かなり準備運動もしましたよ? いきなりやったら腰とかひざ裏とかピキッといっちゃうんで、十分なストレッチをして臨みました。やられたほうの圭くんは、笑うっていうよりキョトンとしてましたね。「足、上げすぎじゃね!?」って(笑)。

──その後は屋上で、春田が食べている牧の手作り弁当にサラダがついてないのを見て「俺のときはあったけどな」と得意げに言い放ちます。

「おっさんずラブ」より、サラダマウンティング直後の武川政宗。

あはは、どんなマウンティングだって話ですよね。そのあと武川が土下座をするじゃないですか。台本を読んだときに、足ドンまでしてこんな話をしてるわりには、ちょっと落ち着いてるなと思ってて。

──貴島プロデューサーはインタビューで「眞島さんは真面目で優しいお兄さん的存在なのに武川さんの芝居が始まると急に音量5割増しで驚いた。土下座も猟奇的だけど切ない」とおっしゃってました。

いつも音量5割増しになるわけじゃないですよ。あのシーンは屋上での撮影だったから環境音もありますし、音声部の人もボリュームが大きいほうが調整しやすいだろうっていう思いもありつつです(笑)。もちろん芝居のテンションもありますけど。

──直前まで牧について「あいつは、俺がいないと駄目なんだよ」と話していたのに、土下座のくだりでは……。

「俺が、あいつじゃないと駄目なんだよ!」と言ってしまう。これはもう脚本の妙というか、面白いですよね。

ドラマ「おっさんずラブ」
ビデオパス、Netflixで配信中
ストーリー

運命の女性との恋を願いつつも、まったくモテない33歳の独身男・春田創一は、ある日、尊敬する部長・黒澤武蔵が自分の隠し撮り写真を持っていることを知り混乱。数日後、思い詰めた表情の部長から「はるたんが……好きです!」と愛の告白を受ける。ピュアすぎる部長の気持ちを受け止めきれず、パニック状態へ陥った春田に追い打ちをかけたのは、ルームシェアをしている後輩・牧凌太からのキス。予想だにしなかった“モテ期”の到来に動揺する春田だったが、やがて彼らの気持ちと真剣に向き合っていくことになる。

スタッフ

演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito

脚本:徳尾浩司

音楽:河野伸

主題歌:スキマスイッチ「Revival」(ユニバーサルミュージック)

キャスト

春田創一:田中圭

牧凌太:林遣都

荒井ちず:内田理央

栗林歌麻呂:金子大地

瀬川舞香:伊藤修子

荒井鉄平:児嶋一哉

武川政宗:眞島秀和

黒澤蝶子:大塚寧々

黒澤武蔵:吉田鋼太郎

「劇場版 おっさんずラブ(仮題)」
2019年夏 全国ロードショー
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毎月5150円でスマートフォンの通信料金に加え、データ利用量25GB / 月、さらに映画・ドラマ・アニメが楽しみ放題のNetflix「ベーシックプラン」とビデオパス「見放題プラン」の利用料金がセットに。動画配信サービスをお得に楽しめる4G LTEスマートフォン専用の定額型プラン。

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眞島秀和(マシマヒデカズ)
1976年11月13日生まれ、山形県出身。2001年に「青~chong~」でデビュー後、「心中エレジー」「横道世之介」「るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編」「悼む人」「愚行録」のほか、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」など、映画・ドラマ・舞台で活躍。2018年には「蝶の眠り」やドラマ「隣の家族は青く見える」「おっさんずラブ」などに出演した。2019年には「そらのレストラン」「赤い雪 Red Snow」が封切られ、2月から3月にかけて出演舞台「CHIMERICA チャイメリカ」が東京、愛知、兵庫、宮城、福岡で上演。4月27日にWOWOWプライムで放送開始となる「連続ドラマW 坂の途中の家」、夏公開の「劇場版 おっさんずラブ(仮題)」にも出演する。現在テレビ朝日で放送中の「パーフェクトクライム」に出演中。