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「新感染」のヨン・サンホ、「我は神なり」でリンチや古谷実から受けた影響語る

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「我は神なり」

「我は神なり」

「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホによる長編アニメーション「我は神なり」が、10月21日に公開される。このたび、ヨン・サンホのコメントが到着した。

ヨン・サンホが2013年に監督した「我は神なり」は、ダム建設のため水没予定地となっている村を舞台に、新興宗教に溺れていく村人と、それを阻止しようとする中年男性キム・ミンチョルの姿を描く社会派バイオレンスドラマ。ヤン・イクチュンが、トラブルメーカーとして嫌われ、自身の妻子も宗教にハマってしまったミンチョルに声を当てた。

アニメーター出身のヨン・サンホだが、本作はもともと実写映画を想定してシナリオを書いていたそう。「韓国のアニメーション産業はとても小さいんです。自分の作品をすべてアニメとして作るのが夢でしたが、現実的なさまざまな問題により、アニメだけに固執するのは難しい状況でした。しかし実写映画としても資金が集まらない中、非常に低予算で『The King of Pigs(英題)』をアニメとして製作する機会が巡ってきて、『我は神なり』のアニメ化も自然に実現したんです」と回想する。また自身が手がけた「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヒットに触れ、「投資者の立場ではリスクの大きなアニメ作品より実写映画を強く勧める状況です。しかし今後もよい機会があれば、当然アニメーションを作り続けるつもりです」と今後の展望を語った。

またヨン・サンホは、イ・チャンドンの「シークレット・サンシャイン」やデヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」から影響を受けたという。彼はその理由を「『シークレット・サンシャイン』の持つ“許すことの二重性”“和解の二重性”など、私たちが普段当然視していることを、裏面から眺めるイ・チャンドン監督の視線が好きです。『ツイン・ピークス』の場合は、平和に見える田舎町がはらむ奇怪で恐怖に満ちたイメージが好きでした」と説明し、「ほかにも日本のマンガ家・古谷実の『ヒミズ』がとても好きです。『我は神なり』の絵柄や表現、雰囲気は『ヒミズ』から多くの影響を受けています」と明かした。

また主人公の声優を務めたヤン・イクチュンに関しては「とても繊細な人です。そんな人が、キム・ミンチョルという会話がまったく通じない壁のような人物を演じることで、ミンチョルのキャラクターがより複雑になり、深みを増したと思います」と評価。「監督と声優という立場ではなく、ともに映画を作った同僚のように感じています」と話した。

「我は神なり」は東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。

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