神山健治「ひるね姫」を語る、「女子高生と日本社会の化学反応が見たかった」

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本日3月23日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて「SENSORS IGNITION 2017」が開催。神山健治とメディアアーティストの落合陽一が「近未来社会予測~AI、ロボット~」をテーマにしたトークセッションを行い、神山の新作「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」について語った。

「SENSORS IGNITION 2017」でのトークセッションの様子。左から神山健治、落合陽一。

「SENSORS IGNITION 2017」でのトークセッションの様子。左から神山健治、落合陽一。

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「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」キービジュアル

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本作は、東京オリンピックを目前に控えた2020年を舞台に、女子高生・森川ココネが夢と現実をまたいだ旅に出る物語。自動運転技術を生かしたガジェットや日常生活に浸透しているVRなど、少し先の未来を感じさせる小道具が劇中に多数登場する。

神山健治

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中学生の頃から神山の作品が「超好き」という落合は、すでに映画を2回鑑賞したと発言。感想を聞かれると「近未来のテクノロジーの描写はもちろんだけれど、劇中に登場する自動車会社の取締役会や工場の様子がリアルで、すごく日本的だった」と、自動車会社と共同で研究を行う落合ならではの観点から答えた。それを受け神山は、「今社会で起こっている問題ありきで映画を作るのが自分のスタンス」と答え、「けれど本作は今までと逆のアプローチ。一見、社会になんの関心もない、目の前の問題に対処するしかない女子高生を主人公にして物語をスタートさせた」と続ける。そして「彼女らが社会と接点を持ったときに、どんな化学反応が起こるのかを描き伝えたいから、登場する会社の描写はリアルなんです」と語った。

落合陽一

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また落合が本作を世代によって見方がまったく異なる映画と指摘すると、神山は「実は3世代を描いた話」と明らかにした。「自動車産業やオリンピックの成功体験を享受してきたおじいちゃんの世代」と「その成功を追体験しつつ行き詰まりを感じ打破しようとする下の世代」、さらに「そんなこととは一切関わりのない若者の世代」を描き分けることで見えてくるものがあると話す。

セッションの最後に、2人で映画を一緒に作るならどんな作品にしたいかと問われると、落合は「人間って本当に死ぬのかということに興味があって。人の意識って肉体が死んでも連続しているのか、不連続なのかとか。逆に完全に無個性な人間が主人公でも、幸せな物語や批評的な物語は生じうるのか。そういう物語を作ってみたい」と語り、神山は「ぜひ筑波の研究室に伺います」と締めくくった。

「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」は全国にて公開中。また全米での劇場公開も予定している。

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(c)2017 ひるね姫製作委員会

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