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神木隆之介の美声に観客が息をのむ、江國香織×森雪之丞「扉のかたちをした闇」朗読会

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「江國香織×森雪之丞 新作連弾詩集発売記念朗読会『扉のかたちをした闇』」の様子。

「江國香織×森雪之丞 新作連弾詩集発売記念朗読会『扉のかたちをした闇』」の様子。

「江國香織×森雪之丞 新作連弾詩集発売記念朗読会『扉のかたちをした闇』」が、本日1月23日に東京・日本橋三井ホールにて開催された。

このイベントは、小説家・江國香織と作詞家・森雪之丞の“連弾”詩集「扉のかたちをした闇」の発売を記念した一夜限りのスペシャルステージ。2人のほか俳優の神木隆之介加藤貴子が朗読に、ピアニストの園田涼が演奏に参加した。

まずは真っ暗なステージに江國と森が登場。本日のために書き下ろした共作「扉のかたちをした闇」を初披露する。ピアノの演奏が始まると、2人が12カ月をテーマにそれぞれ書いた「詩で綴られた12か月」のパートがスタート。江國の「八月の男は」のあと、本を片手に「八月は幻」を読み上げる神木にスポットライトが当たる。壇上の棚から江國が小道具のコートを取り出すと、「ナイロンってなに」を読みながら加藤が姿を現す。このほかキャストたちは、ステージ上の小道具を用いて詩の中のフレーズを表現していく。神木は、翼のオブジェをバックに「十一月の旅人には翼がある」を朗読。また江國と加藤が「いくつもの十一月が」を披露する間は、たくさんの“1”をかたどった木のブロックにライトを当てて、背景に幻想的な影を作り出した。

「絵画と詩」のパートでは、まずスクリーンにアンリ・ルソーの絵「詩人に霊感を与えるミューズ」が映し出される。そこで神木は「ねえミューズ なぜ詩人なんかに霊感を与えるのですか?」と問いかける「放っておいてください」を読む。ギュスターヴ・カイユボットの絵「窓辺の青年」が投影されると、江國が「部屋」を、森が「戦火と絶望」を披露した。

「連弾詩」のブロックでは4人が椅子に座り、「空港と自由」「時差男と東京男」などの詩を代わる代わる朗読。国道沿いのラブホテルに思いを馳せる詩「302」では、「あの302号室でも 女は男にくっついたまま どっか遠くへ逃げちゃおうよと ささやいているのだろうか」としっとりささやく神木に、会場中が息をのむ。「女たちは」と「男たちは」という対照的な2編は、江國と加藤、神木と森のペアに分かれて読み上げた。

園田のピアノソロ曲を挟んで終盤には、詩集未収録の「彼女は今全力で」を神木が1人で担当。7歳の少女が世界を“許す”というテーマを、落ち着いた美声で表現した。最後に、同じく未収録の「あなたに泣いてほしくて」で全員が声をそろえる。「死んだとき あなたに泣いてほしくて」というフレーズを繰り返し、神木の「生きる」という言葉を全員でもう一度復唱。そこで4人は本を閉じ、ステージ中央の棚にそれを収めてステージを去った。

終演後、園田も含めた5人は挨拶を済ませて退場するも、鳴り止まない拍手を受けて再び壇上へ。5人がそれぞれ握手を交わした後に、森が観客に向けて「ありがとうございました」と感謝を述べて会場をあとにした。

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