第17回東京フィルメックス開幕、キム・ギドクが新作とアジアの未来語る

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第17回東京フィルメックスが11月19日に開幕。同日、オープニング作品「The NET 網に囚われた男」が東京・TOHOシネマズ 日劇にて上映され、監督のキム・ギドクが登壇した。

第17回東京フィルメックスにて登壇したキム・ギドク。

第17回東京フィルメックスにて登壇したキム・ギドク。

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「The NET 網に囚われた男」

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「The NET 網に囚われた男」は、北朝鮮と韓国の体制に翻弄される漁師の過酷な運命を描いた人間ドラマ。上映前、キム・ギドクは「土曜日の夕方、とても貴重な時間に観に来てくださり、皆さんに感謝申し上げます。しかし幸せな週末に観るには悲しくて胸が痛くなるストーリーです」と独特の言い回しで挨拶。「この映画の最後は苦しく感じるかもしれませんが、私たちの未来はこの物語の結末と反対になることを願っています」と前向きに語った。

キム・ギドク

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上映後にはQ&Aが実施された。本作の時代設定について、キム・ギドクは「キム・イルソン、キム・ジョンイル、キム・ジョンウンの時代を1つに圧縮して描いている」と説明。また近年、本作同様に南北朝鮮問題を扱った「レッド・ファミリー」「プンサンケ」といった作品では製作側に回っていたキム・ギドクだが、「これらの作品には少し愉快な要素があったけれど、今回は本格的にシリアスにアプローチしたかった。今、どの時代よりも南北は緊張関係が高まっていると考え、そのことを映画にしたいという思いで自ら演出するに至りました」とメガホンを取った理由を明かす。

第17回東京フィルメックスのQ&Aの様子。キム・ギドク(右)とフェスティバルディレクター・林加奈子(左)。

第17回東京フィルメックスのQ&Aの様子。キム・ギドク(右)とフェスティバルディレクター・林加奈子(左)。[拡大]

さらに自身が映画を撮る目的について、キム・ギドクは「私の映画には残忍で暴力的な、観るのが辛いシーンがたくさんあります。でもその裏には私が語りたいと思っている真実がある」と前置きし、「そういったシーンを通して、人類はより安全になるべきだと伝えたいと思っています」と話した。「The NET 網に囚われた男」は、2017年1月7日より東京・新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。

なお上映前の開会式には、審査委員長の映画評論家トニー・レインズ、審査員の女優アンジェリ・バヤニ、監督パク・ジョンボム、アジア映画研究者・松岡環、プロデューサーのカトリーヌ・ドゥサールが出席した。第17回東京フィルメックスは東京・有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇にて11月27日まで開催。

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tAk @mifu75

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