塚本晋也、20年来の友人L・アザリロヴィックの新作に賛辞「映像が物語を生み出す」

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監督最新作「エヴォリューション」の公開を控えたルシール・アザリロヴィックが、東京・有楽町朝日ホールほかで開催中のフランス映画祭2016にあわせて来日。2006年公開の前作「エコール」の35ミリフィルム上映と塚本晋也を招いてのトークショーが、6月26日にアンスティチュ・フランセ東京で開催された。

フランス映画祭2016関連イベントに登壇した塚本晋也(左)とルシール・アザリロヴィック(右)。

フランス映画祭2016関連イベントに登壇した塚本晋也(左)とルシール・アザリロヴィック(右)。

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フランス映画祭2016関連イベントに登壇した塚本晋也(左)とルシール・アザリロヴィック(右)。

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20年来の大親友という、アザリロヴィックと塚本。アザリロヴィックは「(フランスの)アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭で初めて会いました。そのときはパートナーであるギャスパー・ノエの『カルネ』の手伝いで一緒に行ったんですが、そこで初めて『鉄男』を観たんです。ギャスパーと2人で『すごい映画だね! 日本人の監督が撮っているんだって。絶対会いにいかなきゃ!』とすぐに飛び付きました」と振り返る。続けて、「私とギャスパーが2人で迫っていったので、塚本さんは怖かったんじゃないかな(笑)。当時、私は英語が話せなかったんですが、お互いにわかり合えたと思います」と懐かしむ。塚本は「こんなに長くお付き合いが続くとはびっくり。そのとき、ギャスパーの家に泊まったんですよ」とプライベートでの親交の深さを明かした。

互いの作品について、アザリロヴィックは「新作『野火』も観ています。彼の作品は、新しい発明をするような実験的なものが多くて、そこに面白さや感動がある。ギャスパーも言っているけど、彼は監督から俳優、撮影、照明、編集、製作までやってしまう”オーケストラマン”。信じられないことです」と賞賛する。塚本は「彼女は少女みたいな人。その少女のような感じがそのまま映画になっているんです。『エコール』はまさにルシールそのもの。普段は少女のようだけど、映画作りについてはかなり厳格で、僕自身励まされます」と返した。

「エヴォリューション(仮題)」

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自身の作品を手がけるうえでのプロセスを語る2人。アザリロヴィックは「自分なりのルールがあります。ストーリーボードは作らないし、カメラは固定で長回し。だから塚本さんのような動く映像に憧れるんです」と明かす。一方の塚本は「『エヴォリューション』を観たとき、あまりに映像がきれいなことに驚きました」と感想を語る。続けて「最初の海のシーン、あれどうやって撮ったの?と開口一番に聞いたんだよね」と述懐。するとアザリロヴィックは「そうやって言ってくれたのが、とってもうれしかったです!」と笑顔を見せる。最後に塚本は「映像の持つ力は大きくて、映像が語る。映像が物語を生み出すんだと思います」と語り、トークショーを締めくくった。

アザリロヴィックの新作「エヴォリューション」は、本日6月27日にフランス映画祭にて上映された後、11月より東京・UPLINK、新宿シネマカリテほか全国で順次公開。

※記事初出時、内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。

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(c)LES FILMS DU WORSO・NOODLES PRODUCTION・VOLCANO FILMS・EVO FILMS A.I.E.・SCOPE PICTURES・LEFT FIELD VENTURES / DEPOT LEGAL 2015

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