篠崎誠が3・11以後の矛盾や不安描く「SHARING」2バージョン同時公開

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「おかえり」「東京島」の篠崎誠が監督を務めた「SHARING」が、4月23日より東京・テアトル新宿ほかにて公開される。

「SHARING」

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登場人物の一部や物語の展開が異なる99分版と111分版の2バージョンが用意された本作は、東日本大震災を軸にした劇映画。東日本大震災の予知夢を見た人の調査をしている社会心理学者の瑛子と、大学の演劇学科に通い同震災をテーマにした卒業公演を控える薫の交流、それぞれの葛藤を描き出す。

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篠崎は公開までの道のりを振り返り「内容も原作物ではなくオリジナルで、共同脚本の酒井善三君とは脚本を書き始めるまで1年いろんなことを話しました。そういう意味では、贅沢な映画作りだったのかも知れません」とコメント。また1923年に起こった関東大震災と表現との関係に触れながら「『3・11』そのものが主題なのではなく、それ以降明らかになった矛盾や今も続く不安をある種サスペンス映画のような手法で浮き彫りにしたかったのです」と自作に言及している。

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テアトル新宿では「SHARING」2バージョンのほかに、同じく東日本大震災を扱った篠崎の監督作「あれから」を日替わりで上映。また公開初日には舞台挨拶が行われ、篠崎のほかキャストの山田キヌヲ樋井明日香木村知貴らが登壇する。詳細は公式サイトを確認してほしい。

篠崎誠 コメント

完成から2年ようやく劇場公開が決まりました。さすがに長かったです。でも、実はつい先週まで最後の手直しをしていました。内容も原作物ではなくオリジナルで、共同脚本の酒井善三君とは脚本を書き始めるまで1年いろんなことを話しました。そういう意味では、贅沢な映画作りだったのかも知れません。一緒に映画もたくさん見ましたし、それぞれにテーマを決めて資料を読みました。
映画の中で描かれる「虚偽記憶」(=自分が体験した記憶ではないのに、体験したと思い込むこと)も現実にアメリカの心理学の学界で起こった論争を元にしています。関東大震災の前後に、「分身」をテーマにした幻想小説がいくつも書かれているのも妙な符号を感じて、それに予知夢と虚偽記憶を織り交ぜて、シナリオを書きました。「3・11」そのものが主題なのではなく、それ以降明らかになった矛盾や今も続く不安をある種サスペンス映画のような手法で浮き彫りにしたかったのです。

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(c)COMTEG + Makoto Shinozaki

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横川シネマ @yokogawacinema

【SHARING】4/23(土)から東京・テアトル新宿での公開が始まり、5/1(日)より広島・横川シネマが続きます。5月の最重要作品。

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