原作に出てくるさり気ない仕草を取り入れる

──原作を意識してこだわった仕草や演出などはありますか？

崎山　たぶんあまり気付かれてないと思うんですけど……。恋次が「魂にだ！」って叫んで白哉にやられるシーンで、原作だと恋次が倒されてからルキアと左手が交わらないっていう回想に入るんです。それで僕もやられてから舞台上でじっと左手を見つめるっていう表現をしてるんですけど、舞台のツラ（前方）で倒れてやってるので、後ろの人とか観えてないんじゃないかな。でも誰かに観せるってわけでもなく、恋次はそうやってたから自分もそうするだろうなと思って、そういった仕草をしてましたね。

高野　すごいですね。

崎山　舞台の前方すぎて、DVDで映ってるかはわかんないですけどね。でも回想シーンって原作でも好きなところだったので、何かできないかなと思って。

高野　僕は最後現世に帰るところで、ルキアが「尸魂界に残ろうと思う」って伝えてくれるシーンがあるんですけど、実はそこですごく迷走していて……。戦っているいつもの一護とはまた違って、ナチュラルな演技だったので難しかったんです。そこでもう一度単行本を開いてみようと。そしたら一護が下を向いて目をつぶって「…良かった」っていうコマがあったので、目をつぶって演じてみたりしてました。

──迷ったら原作に立ち戻ると。

崎山　あとは意識しないで原作と一緒だったりとかすると、すごくうれしいですね。どのシーンだったかは忘れちゃったんですけど、台本読んでたときに自分だったらこうするだろうなってところがあって、ちょっと原作からヒントをもらおうと思って見たら、同じことをやってたんですよ。それは自分がちゃんと恋次に近づけてるという気がしてすごくうれしかったです。

──尸魂界編では舞台に登場していない死神や一護の仲間たちがいますが、演じてみたいキャラクターはいますか？

崎山　雨竜！ ずっと好きなキャラクターなんですよね。だからもし続きがあるなら雨竜で！ 阿散井恋次はずっとやられていた森山（栄治）さんに出てもらって、ミックスでやってみたら面白そう。

高野　僕も石田雨竜やりたいです。あとは浮竹さんとか。尸魂界編ではあんまりしゃべらないけど、平和主義なところとか、ちょっと雰囲気が自分と似てるかも。

──おふたりとも一護と恋次とは真逆の、温厚キャラを選ばれましたね（笑）。

崎山　だから僕たち、本当は温厚なんでしょうね（笑）。