コミックナタリー PowerPush - 四月は君の嘘

OPテーマ担当・コアラモード.とイシグロキョウヘイ監督がクロストーク 原作の魅力と、音楽の力で繋がる3人

新川直司原作のアニメ「四月は君の嘘」が、フジテレビ・ノイタミナ枠で放送中。月刊少年マガジン(講談社)にて連載中の原作とともに、アニメもクライマックスに向けて盛り上がっている。その2クール目のOPテーマ「七色シンフォニー」は、同曲でメジャーデビューを果たしたコアラモード.が手がけた。ボーカルのあんにゅとサウンドクリエイターの小幡康裕からなる、新進気鋭の男女2人組ユニットだ。

コミックナタリーでは、コアラモード.の2人とアニメ「君嘘」のイシグロキョウヘイ監督との鼎談を実施した。原作の魅力、音楽の力を通じて繋がった3人のクロストークを、お楽しみあれ。

取材・文/前田久 撮影/笹森健一

 
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歌詞も、音の作り方もカラフル

──実はみなさん、今日が初対面だとか。

イシグロ そうなんです。はじめまして、監督のイシグロです。

ココアラモード.

あんにゅ はじめまして。

小幡 よろしくお願いします。「四月は君の嘘」のOPを作らせていただいた、コアラモード.です。

イシグロ 存じ上げております(笑)。今日はこうやってお話できる機会を与えていただけてうれしいです。

──まず主題歌の「七色シンフォニー」は、どういう流れで作られた曲だったのでしょう?

小幡 僕ら、アニメになる前、原作から好きで読ませていただいていて。「作品に合わせて、何らかの形で自分たちの曲を使っていただけたらいいな」なんてことを思いながら、曲を作っていたんです。「七色シンフォニー」も、もともと以前から書きたいと思っていたテーマを扱った曲ではあるんですけど、書いていく中で、歌詞に登場する2人の人物の関係性を考えていったら、それが「君嘘」の公生くんと、かをりちゃんに照らしあわせられるなと思ったんです。そうしたら、どんどん曲のアイデアが浮かんできたんですよね。そうした形で生まれてきた曲を、今回、主題歌に使っていただけたという……。

イシグロ それはすごいですね!

あんにゅ だから決まったときは、心の底からうれしくて。

イシグロ 僕はアニプレックスのプロデューサーから、「こういうアーティストさんがいるんですけど、2クール目の主題歌として、どうですか?」という感じで、曲を聴かせてもらったんです。2クール目からOPを新しくするというのはもともと決まっていて、1クール目はGoose houseさんだったけど、次は誰にお願いしようか? ということは、割と以前から話し合ってました。そこでコアラモード.さんの曲をいただいて、「……これ、『君嘘』の世界観そのままだ!」と。そんな成り立ちは全然知らなかったから、事前に作品のことを説明して作ってもらったのかなと思ってました。そういう経緯だったんですね、なるほど。

あんにゅ あとは、自分たちのメジャーデビュー曲でもあるので、華やかな作品にしたいなということも考えていました。

イシグロ タイトルもそうですし、歌詞も、音の作り方もカラフルですよね。それは最初に拝聴させていただいたときから感じてました。映像の方も、色遣いには気をつけたり、こだわったりしているんですよ。

──原作で音楽と色が大事な要素になっていて、アニメでもその要素を膨らませていますよね。

イシグロキョウヘイ

イシグロ そうですね。基本的にアニメってフルカラーですからね。マンガという媒体は余程のことがない限り、カラーではないじゃないですか。そこにどう色を付けていくかというのが、アニメ化するにあたっての大きな利点なんですよ。そこでより原作の味を引き出せる可能性がある。特に今回は、モノトーンにするシーンも含めて、新川先生の原作を読んだ印象を大切にして、色の使い方にかなりこだわって画面を作りました。

あんにゅ 素晴らしいですね……。

イシグロ OPやEDを手がけてくださるアーティストさんとお話をするときも、劇伴を作っていただいている横山克さんとお話をするときもそうだったんですが、音色の話より、「色が……」とか「透明感が……」とか「光が……」みたいな、より映像的なイメージの話をすることの方が多かったんです。だから、実際に仕上げていただいた曲も、色が感じられる曲になっているんですね。「七色シンフォニー」も、タイトルはもちろん、そこから連想されるカラフルなメロディーラインも、すごくいいなと思いました。何も違和感がなく、作品の中に入ってきたというのが印象です。ちなみに、僕よりも先に新川先生が聴いているはずなんですよ。だから、僕のところに来る前に、まず新川先生が選んでいたんじゃないかなあ。

あんにゅ 新川先生が……! 感謝しかないですね。

新川先生はリフレインの使い方が上手い

──コアラモード.のおふたりは、原作のどんなところに魅力を感じられていたんですか?

あんにゅ まずは物語に、春風の中に包まれているような世界観というか、空気感があるところに、心惹かれました。そして、ただ綺麗なだけではなく、主人公たちをはじめ、登場人物にそれぞれ葛藤があるところが、とにかく好きなんです。作品の世界観に恋をしていますね。

小幡 主人公たちと同じ14歳の頃、自分が何をしてたかな? と思うと、こんなに充実してなかったなと……。

イシグロ それ、僕も考えました(笑)。

あんにゅ そういう部分に対する「いいな」という思いもありますね(笑)。

イシグロ セリフが非常に詩的ですよね。新川先生の特徴だと思うんですが。映像的にいうとモノローグ、登場人物が頭のなかで考えているセリフなんですけど、僕、最初の印象は、曲の歌詞だと思ったんですよね。

あんにゅ ああー、わかるような気がします。

「四月は君の嘘」のワンシーン。(c)新川直司・講談社 /「四月は君の嘘」製作委員会

イシグロ 音楽を題材にしている作品だからかもしれないですけど、例えばコンクールのシーンとか、公生が演奏しているときに、彼だけじゃなく、まわりにいる人間たちのモノローグがある。これは、その場に流れている音楽に当てはめている歌詞のように読めるんじゃないか? という風に捉えていたんですよね。そんなこともあって、この作品は、音楽をやっている人間にとっては、たぶん響くものがいっぱいあるんじゃないかなと思っていたんです。実は僕自身も、ずっと学生時代はバンドをやっていたんですよ。

あんにゅ そうなんですか!

イシグロ 人生の中で、アニメ作りよりも音楽に関わっていた時間の方が長いんですよ、実は。僕がやっていたのはクラシックとかじゃなく、普通のロックバンドでしたけど。

小幡 そうなんですね。おっしゃるとおり、本当に、作中に出てくるポエム的な部分だけで、1曲、2曲は書けそうな。そのぐらい、歌詞を書く人間としても、すごく勉強になるところのある作品ですよね。

イシグロ 新川先生はリフレインの使い方が上手いんですよね。音楽でいうと、サビっぽい。同じ言葉を別な人間が言うとか、モノローグなのに対のセリフになっているとか、そういうのが多い。普通に考えたら、頭のなかで考えていることは相手に伝わることはないじゃないですか。

小幡 はい。

イシグロ でもこの作品ではシンクロさせているんですよね。例えば公生とかをりが、まるでお互いのモノローグが聞こえているような形で進むシーンがある。そういうところが音楽的なんですよ。まるで聴いた音楽を共有しているような感じがある。あれは上手いなと思いますよね。新川先生も音楽がやはりすごく好きらしいんですね。だから音楽ありきでたぶん、ネームというか、コマの構成を考えているんだと思いますよ。そのへんをアニメでも拾えればいいなと思いながら作っています。難しいですけど。

コアラモード. メジャーデビューシングル「七色シンフォニー」2015年2月18日発売 / アリオラジャパン
期間生産限定盤 [CD+DVD] 1620円 / BVCL-630~1 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 1080円 / BVCL-629 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. 七色シンフォニー
  2. あのさ、あのね
  3. We Are Coalamode.!!
  4. 七色シンフォニー -TV size-(※期間生産限定盤のみ収録)
期間生産限定盤DVD収録内容
  • ノンクレジットオープニング映像
アニメ「四月は君の嘘」毎週木曜25:20~ フジテレビ・ノイタミナほかにて放送中 / ©新川直司・講談社 / 「四月は君の嘘」製作委員会
アニメ「四月は君の嘘」
音楽ナタリー Power Push「四月は君の嘘」主題歌 7!!「オレンジ」インタビュー
コアラモード.

コアラモード.

ボーカルあんにゅとサウンドクリエイター小幡康裕からなる神奈川・横浜出身の男女2人組ユニット。2013年の結成以来、横浜を拠点に精力的なライブ活動を行い、徐々に注目を集める。2014年11月には自主制作の4曲入りシングル「メモリーズ」をリリース。2015年2月にフジテレビ系“ノイタミナ”アニメ「四月は君の嘘」第2クール オープニング・テーマ「七色シンフォニー」でメジャーデビューを果たす。

イシグロキョウヘイ

1980年4月2日生まれ。出身は神奈川県秦野市。2005年、アニメ制作会社・サンライズに入社。2009年に演出家に転身し、2011年に会社を辞めフリーになる。「となりの怪物くん」「団地ともお」などの演出を手がけ、2014年10月より「四月は君の嘘」で初監督を務める。