“はじめて”のドッキリ

──アニメで特に注目してほしいシーンはありますか？

自分で声を当てながら、思わずキュンとしちゃったシーンがあるんですけど。ジュンイチにキスを迫られて、八女ちゃんがそれを茶化すんですよ。茶化してごまかして、席を立って1人になったときに、「ばか、まだ早い」って照れのセリフを言うんです。ここ、台本をチェックしているときから「めっちゃかわいいじゃん！」って思っていて。なので、そこはすごく力を入れました。

──原作でもお好きだとお話していた、素の表情の部分ですね。

ジュンイチを弄ぶような発言をしたり、ジュンイチの妄想にちょっとセクシーな感じで登場したり。そういう場面も多いんですけど、たまに見せる恥ずかしがったり、照れたりしたときの八女ちゃんの、そのギャップがすごくかわいいなって。原作を読んで、ここはちゃんと表現したいなって思っていたこだわりの部分でもあったので、力が入りましたね。カラオケのシーンも、オリジナルソングを歌っているので注目してほしいです。

──書き下ろしの歌を使っているんですか？

そうなんです。音楽担当のやしきんさんが、八女ちゃんが歌いそうなイメージでオリジナルソングを作ってくださったんです。そういった意味でも“はじめて”尽くしのいろんな経験をさせてもらっています。

──原作の植野メグル先生とはどんなお話をされたのでしょうか。

実はあまりお話をしていないんです。アフレコに来てくださるので、「これでOKですか、先生？」とお聞きするんですけど、手でマルを作ってOKサインをくださるくらい（笑）。すごく優しい方なので、自由にやらせていただいているのですが……。

──できればもっとお話をしたいと。

そうですね。作品のこととか役のことをお聞きしたいです。でもなかなかそういう機会もないので、もっとお話できたらいいなと思っています。

植野メグル　（突然、取材場所に現れて）長久さん、お疲れさまです！

長久　……えーーーーっ!? びっくりした！ えっ、なんでいるんですか？

──実は、長久友紀さんへ“はじめて”のドッキリを仕掛けようと、植野メグルさんに別室でスタンバイしてもらっていました。

植野　インタビューも最初から聞いていました（笑）。

長久　ちょっと、嘘～！ 恥ずかしいです～！

植野　びっくりさせたお詫びに、これ、プレゼントです。待機しながら描いていたんですが、夢で松本人志さんに告白したというお話が面白くて、笑って線が太くなっちゃった部分があるんですけど（笑）。

長久　ありがとうございます。松ちゃん好きなんです。うれしい、けど恥ずかしい～（笑）。

“はじめて”このアニメを見る人に

──長久さんはもっと植野さんのご意見を伺いたいということなんですが、植野さんはアフレコ現場を見られていかがでしたか。

植野　毎回めちゃくちゃ楽しいです。基本的に声優さんの作り込んできてくれたものを尊重したいので、僕からは何も言うことがないんですよ。むしろ、「このキャラはこんな声だったんだ！」「こういう子だったのか！」と楽しませてもらっているので、不満は全然ありません。特にキタエリさんのキャラが濃すぎて、最近ネームを描くときに、蘭子がキタエリさんに寄ってきているんです。担当さんに「これキタエリさんっすね、完全に」って突っ込まれたり（笑）。

長久　とにかく先輩の皆さんがすごいですよね。じゃあ、このまま突き進んでも……？ ジュンイチに話しかけるときの甘々度に少し悩んだりしてたんですけど。

植野　バッチリだと思いますよ。長久さんの中では、ちょっと甘すぎたかなってことですか？

長久　付き合ってまだ日が浅いので、初々しさのほうが勝ってるんじゃないかなって。恥ずかしいっていう思いと、でももうちょっと進んでいいんじゃないかなっていう、そのせめぎ合いがあると思うんです。ここで100パーセント甘々になっちゃうと……。

植野　アニメだと、付き合ってからそんなに日が経っていないんですよね。うん、その通りだと思います。やっぱり最終回に向けて上がっていくものがあると思うので。でも、やりたくなったらニャンニャンしちゃっても構いませんよ（笑）。

長久　そうですよね。原作だと1巻でチューしてますけど、アニメでは……焦らすな～って思ってます（笑）。

植野　楽しみにしとけよって感じですね（笑）。

──最後に、これから「はじめてのギャル」を観る人にメッセージを。

長久　アニメで初めて知った方も、原作を読んでいる方も、どちらの方も楽しめる作品になっています。オリジナルなシーンも盛りだくさんですし、八女ちゃんとジュンイチのラブコメ感も、アニメーションだとより伝わると思います。ギャルだけどガードは固いっていうギャップも魅力です。これまでギャルに興味がなかった人も、ギャルのことがきっと好きになると思うので、ぜひ新たな扉を開いてください（笑）。よろしくお願いします！

植野　アニメはキャストさんの皆さんのお陰で、本当に楽しい感じに仕上がっています。原作もまだまだ続くし、がんばっていこうと思っていますので、どちらも期待していてください！