炎炎ノ消防隊 大久保篤×宮野真守(「ソウルイーター」デス・ザ・キッド役)対談

数年ぶりの邂逅に友情の炎がほとばしる! アニメ「ソウルイーター」の裏話もきっちりかっちり完璧に

バカと頭のおかしな奴はやりやすい

──「炎炎」で演じてみたいキャラはいますか?

シンラ

宮野 そりゃあ、やるならシンラがいいですよね。主人公だからっていうだけじゃなくて、彼のキャラクター性に魅了されちゃった感じです。でも17歳……若いなあ。でも「まだまだ俺でもイケんじゃね?」とか思ったり(笑)。

大久保 いいと思います。あんまりオラオラ系の主人公じゃなくて、冷静沈着なところもあって、礼儀もある感じが宮野くんっぽい。

宮野 あと、第7隊もカッコいいですよね。特に隊長の紅丸! カッコいいし、最強だし。

大久保 王道ですよね。宮野くんがやるなら、火縄もいいと思うけど。あんまりギャグは言わないけど、そこはかとなく天然な面白さがあるキャラだから。

宮野 演技力が問われますね! キッドくん的なバカさがあるのは、やっぱりアーサーですかね(笑)。

──宮野さんが演じた、アニメ「ソウルイーター」のデス・ザ・キッドですね。

大久保 アーサーは「ソウル」に出ててもおかしくないくらい(笑)。

宮野 とびっきりのバカですよね(笑)。剣を持つ利き手を間違えてたところとか、めちゃめちゃ面白かった。

力が出ないと思ったら右利きなのに左手で剣を持っていたシーン。

大久保 あれねえ……僕が描くときに左右を間違えてたんですよ。

宮野 え? ただ単に間違えて描いてたんですか?

大久保 そう(笑)。最初の何ページか、左手に剣を持たせちゃって。最初は別の方法で敵に逆転勝利する予定だったんですけどね。

宮野 バカを生かした絶妙のリカバリー!(笑)

──ちなみに、宮野さんの好みの女性キャラは誰ですか?

宮野 え、誰だろう……アイリスはかわいいですね。先生は?

大久保 マキは好きですね。

宮野 黒髪好きですか?

大久保 いや、どっちかというと金髪好きです(笑)。描くという視点だとアイリスが描きやすいんです。マキは意外と描きにくい。

宮野 確かにマキって難しそう。筋肉質でもあり、女性的な柔らかさもあるし。

大久保 ですね。本当だったらもうムッキムキにしたいんだけど……読者に怒られるよね(笑)。

──男キャラはどうですか?

大久保 火縄は個人的に好きですね。描いていて楽しい。

宮野 火縄はいいキャラ! 優しさが急に出てきて、ずるい(笑)。

──動かしやすいキャラ、動かしにくいキャラってあるんですか?

大久保 あんまりないですね。シンラは動かしやすいし、アーサーも……バカと頭のおかしな奴はやりやすいです(笑)。でも、レッカは「気持ち悪いなあ、こいつ」と思いながら描いてました(笑)。

キッドの一番大事な部分は「真面目なんだけど傍から見ればバカ」

──丁々発止のやり取りをしているおふたりですが、「ソウルイーター」のアニメで知り合ったと伺っています。

宮野真守

宮野 ええ。「ソウル」のアニメで初めて会った頃からずっと、先生とは交流があります。すごくフランクな方で「先生って呼ばないでよ」っておっしゃって。結局みんなから「あっくん」って呼ばれてました(笑)。僕は恐れ多くてそんな呼び方できなくて、いまだに呼んだことないですけど。

大久保 僕はオーディションのときに初めて宮野くんを拝見したんです。その頃はもう売れっ子で。入ってきた瞬間からキラキラしてて、現場が明るくなる感じ。僕がオーディションでお願いしたことって「宮野くん(デス・ザ・キッド役)と内山くん(ソウル=イーター役の内山昂輝)がいい」だけでしたよ。ほかのみなさんももちろんですけど、2人はとにかく輝いていましたよ。

──そういう経緯で、宮野さんがデス・ザ・キッド役に決まったんですね。

宮野 すごくうれしいです! キッドくんって、めちゃめちゃカッコいいじゃないですか。でも幼さもあって……最初はそういう部分をどう演じようかな、と考えてたんですけど、途中からは何も気にせずに演じることにしました(笑)。キャラクターを深く知るにつれて……彼は、ちょっと難儀なところもありますよね。左右非対称が許せなかったり、すごくナイーブだったり。

大久保 ですねえ。

宮野 そういう部分はのびのび演じないと表現できないな、と。現場に入ってからは自分にできることを思い切りやろう、っていうだけでしたね。

デス・ザ・キッド

大久保 キッドの一番大事な部分は、本人は真面目なんだけど傍から見ればバカ、みたいなところなんですよね。宮野くんはそこを汲んで、真剣にやってくれた。

宮野 真剣でしたね。茶化すんじゃなくて、真剣にやった結果が面白いキャラなので。

大久保 本人は切実な思いですからね。キッドは、完全無欠さがポイントのキャラクターなんですけど、世の中は完全無欠にはなかなかいかない。よくある、美形で強くて隙がない、みたいなキャラから、崩していく形でできたんですよね。

宮野 能力的には最初からズバ抜けてますよね。だからバカな部分とのコントラストが面白い。

大久保篤「炎炎ノ消防隊⑥」2016年12月16日発売 / 講談社
「炎炎ノ消防隊⑥」表紙
コミック / 463円
コミック 限定版 / 1404円
Kindle版 / 432円

桜備vs.紅丸! 大隊長決戦!! 狡猾な伝導者一味の能力により、誤解が誤解を呼び、衝突する両雄! 互いに譲れぬ対決の行方は!? 続々と解放される敵軍の能力に、浅草の町は大混乱! 燃え上がる町と白装束の猛攻に、第8は!? 第7は!? シンラたちに解決の術は──!? 現れる新たなる“焔ビト”! 目を覚ますシンラの深淵なる炎! 灼熱の浅草編、決着の時!! 6巻の帯には宮野真守&デス・ザ・キッドの推薦コメント掲載!

マガジンポケット 毎日更新される週刊少年マガジンの公式無料アプリ! 「炎炎ノ消防隊」第1話やバックナンバーが無料で読める!
大久保篤(オオクボアツシ)

2001年に「一善の骨」でデビュー。「ソウルイーター」は月刊少年ガンガン2004年6月号(スクウェア・エニックス)より約9年にわたり連載され、テレビアニメ化も果たした。その後、「ソウルイーター」の外伝である「ソウルイーターノット!」を同誌2011年2月号より連載し、2014年にテレビアニメ化。2015年より週刊少年マガジン(講談社)にて「炎炎ノ消防隊」を連載中。

宮野真守(ミヤノマモル)
宮野真守

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降、アニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍。また、歌手としても2008年にシングル「Discovery」で、キングレコードよりアーティストデビューを果たし、2016年は「HOW CLOSE YOU ARE」「SHOUT!」「テンペスト」「The Birth」と計4枚のシングルをリリース。また、自身最大規模となるライブツアーを行い、横浜アリーナにてツアーファイナルとなる2days公演を大成功におさめた。夏には東京・帝国劇場で上演されたミュージカル「王家の紋章」に出演し、新たな一面を見せた。